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令和元年度日立ブロック専門研究会

更新日:2019年09月13日

講師 森 悦子 氏
講師 森 悦子 氏
令和元年度茨城県市町村保健師連絡協議会 ブロック別研修会(日立ブロック)
研修 議事録
期日:令和元年8月30日(金)13:30~15:30
場所:日立市保健センター 4階
出席者:32名
13:30 開会
 司会:緑川(市町村保健師連絡協議会)
13:30~15:00 講演
 〈演題〉言葉の遅れや発達が気になる子への支援について~事例を交えて~
 〈講 師〉つくば児童発達支援教室 言語聴覚士 森 悦子 氏
 〈講演内容〉
  〇言葉の発達を支えるもの
   1対人的コミュニケーション
    身体全体を使ったコミュニケーション、新生児期の模倣行動、共同注意、愛着関係
   2乳児期知覚・認知発達
    聴覚の発達(一番大事)、音声知覚の発達、言葉の認知の発達、語彙の獲得、ことば
    の息の獲得と社会相互作用
   3最初の言葉が出る前 
    生後1年間の音声発達、身振り・指差し機能の発達的変化
   4発音スキル
    音節をつなげられるか、構音できる音のレパートリー、正しい構音を支える条件
  〇症例の情報
    3歳7か月児 聴力:問題なし IQ100
           K式発達検査 認知・適応 100 言語・社会 46
           診断名 自閉症スペクトラム障害
    状況などの文脈を手掛かりに理解していて、言葉だけでは簡単な単語や指示が全
く理解できていない。
→聴覚以外のルートで言葉を教えていく。
 手話+音声言語で呼称、カテゴリー、抽象語を理解させる
 ひらがな理解
経過 年少:簡単なことばや指示は理解できるようになった。
   年中:理解できる手話が増え、カテゴリーや「違う」「同じ」などの抽象語
      も分かるようになり、自らも使い始めた。
      年長:簡単な指示は音声言語でも理解できるようになった。文レベルで話がで
      きるようになった。
〇自閉症スペクトラムの子が苦手な面
 ・文脈や状況によって変わる意味
・発音に含まれる意味
・たとえ表現の理解の難しさ
・「ちゃんとしなさい」「だらしがない」などの抽象的な言葉の意味
・教科で使われる分かりにくい言葉:かさ(量)、たんい(単位)、ようす(様子)など
・算数の文章題
・国語の読み取り
・敬語
・推測する力 三段論法
・会話
 〇言語指導上の配慮
1前言語期(話し言葉が出ていない時期)
 ・人とのやり取りの楽しさを味わう機会を増やし、繰り返しその気持ちを言語化して
聞かせる。
  2単語獲得期(幼児期初期)
   ・また構音の発展途上なので不十分な表現でも訂正しない。
   ・生活場面で見慣れた活動や遊びの内容を言語化し、事物や人の名前、動作語、形容
   詞などを使って見せる。
   ・身辺自立の習慣をつけさせる。
  3前期構文獲得期(2~3歳代)2語文が出始める時期
   ・実際の行動や体験させたことを言語化できるように援助したり、言語化して聞かせ
る。
   ・感情を言語化できるように、教官体験を通し、感動詞や形容詞を教えていく。
   ・ものの用途や上位概念語を教えていく。
  4中期構文獲得期(年中・年長)
   ・集団学習の場や学習の差に理解の必要な言葉を確認
   ・抽象語の意味を教えていく。
 〇発達障害のある人への支援
  1ことばの配慮
   ①省略しない完全な文で話す。
   ②代名詞の理解は困難
   ③肯定的な表現を使用する。
   ④命令形・大声は使わない
    穏やかに丁寧に話すことが大切。
  2状況説明の配慮
   ①当たり前のことを丁寧に説明
   ②その場の状況を説明する
   見ていても理解しているとは限らない。誤って理解している。
   ③説明は何度も行う。
  3予定の説明
   ①学習・仕事など毎日おこなうことはマニュアル化して説明する。
   ②予定についても同じ。
  4注意力障害への配慮
   ①環境調整
   ②時間の統制(注意集中困難)
  5多動・衝動性への配慮
   ①エネルギーの発散、合法的に動かす
   ②衝動性 子どもの希望を聞き具体的な行動方法を伝える。代替行動方法の教示。
  〇コミュニケーション支援
   1社会的理解としての他者視点の取得
   2共同注意の支援
   3コミュニケーションスキルの支援
  〇共同注意の支援
   ①集団ゲームなどの活動機会の設定
    人との楽しい経験をつむ
   ②活動しやすい環境の設定が不可欠
    具体化されたルール
    表象機能を促す支援
  〇幼児期の対応目標
    ・子ども
     適切な親子関係の構築
     情緒の安定(ちょっとしたよい言葉がけ)
    ・保護者
     子どもに対する理解力の向上
     子どもへの対処能力の向上
  〇偏食について
    無理強いするほど食べられなくなる。
    栄養学で言われても、食べないものは食べない。
    おためしに食べさせてみても、無理強いはしない。
  〇発音について
    構音 サ行・ラ行は6歳で完成する。
    水を飲んだ時、鼻から水がこぼれることが頻繁であれば、粘膜下口蓋裂。児鼻腔閉
鎖の可能性がある。耳鼻科、歯科口腔外科の受診をすすめる。OPEするなら早い
ほうがよい。
 〇吃音について
   ことばが出てくる時期に出現するもの→7~8割は就学前になおる。
   ことばの注意をするのは×。話かける人がゆっくり話をする。
   神経を高ぶらせたまま寝かせない。安心して眠れたほうがよい。寝る前は穏やかに静
かに。
 〇親支援について
   親にも力量がある。親を責めてもしかたない。
   細く長く、糸を切らないようにする。母をサポートする。
15:00~15:10 休憩
15:10~15:25
 グループワーク
 「茨城県保健師人材育成指針【第2版】キャリアラダーの活用について」
 ①各市町村でどのように活用しているか
  1回はつけてみたが、活用しきれていない。
  年に1回は付けてみて、自分のスキルを確認している等。
 ②統括保健師との面談を実施してみて
  人事評価制度では定期的に面接を実施しているが、キャリアラダーの面接は実施して
  いない所も多い。
  自己評価が低く、統括保健師にもう少し上のランクで付けてよいと言われた。等
15:25~15:30
  まとめ:日立保健所 保健指導課 石川課長
  茨城県保健師人材育成指針は、H22年度に第1版、H30年3月に第2版が策定された。
  茨城県と市町村が共同で策定したものであり、県として策定しているところは少ない。
 キャリアラダーは、経験値に沿ってつけることができる。ジョブローテーションを考え
  ることにも役立つ。キャリアアップのためにも使用できる。ぜひ活用してほしい。
 
講演会の様子
講演会の様子

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