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令和元年度専門部会

更新日:2019年08月07日

講師 堀 友紀子 氏
講師 堀 友紀子 氏
「救護所の立ち上げ訓練」について

茨城県市町村保健師連絡協議会専門部会
令和元年7月22日(月)
茨城県市町村会館 講堂
博慈会記念総合病院 看護部 急性重症患者看護専門看護師 堀 友紀子 氏

(1)救護所の位置づけ
●茨城県防災計画より、市町村は、学校・集会所等の避難所・病院・市町村保健センター等に医療救護所を設置することを位置づけられている。被害状況、発生時間帯、通信状況等によって情報収集や連携のための調整は時間を要してしまうため、日頃からの訓練を繰り返し実施することが重要である。
(2)救護所の準備・役割分担
●救護所の役割は、1人でも多くの救命するため、多数傷病者のトリアージを実施すること、傷病者の収容と医療機関搬送の準備:優先順位を決まる→搬送依頼、人員の要請も行うこと、傷病者の病態の安定化を図ることである。最初に決めた組織でも、時間の経過とともに傷病者が増えたり、応援者にくる職員も増えたりする可能性があるため、臨機応変な組織づくりが必要である。
●災害医療は、Triage、Treatment、Transportationの3Tが重要と言われている。
●救護所設置・運営のポイントは、指揮命令系統、安全確保、情報伝達、情報評価の4つである。
 ①指揮命令系統
  リーダー・記録者・トリアージ実施者・救護所内での観察者等の役割決定し、救護所内だけでなく災害対策本部との連携が重要である。負傷者や応援(DMAT、JMAT、日本赤十字等)が増えてきたら、リーダーをDMAT、行政職員はトリアージ記録・死亡もしくは救命不能群を対応に当たる。
 ②安全確保
  救護所の設置場所、救護所内外の動線を考慮した配置、感染予防に努める。傷病者が多く集まり救護所からあふれてきた場合は、ブルーシートや簡易テントなどを依頼し、歩ける軽症の方は外に移動して(誘導員を本部に要請する)、重症から優先して対応する。搬送口の救急車両の移動できない時は、災害対策本部に連絡し、交通整理のための人員を依頼する。
③情報伝達
 救護所に来た傷病者の情報はトリアージを行ったうえでトリアージタッグ(3枚綴りになっているため人数把握ツールとして便利)の記入・管理をする。トリアージが済んだ傷病者情報を一覧にまとめること(ホワイトボード等に書き出すのは事務職でOK)と、救護所内の傷病者の観察を同時進行する。
④記載された情報評価
  解決できていないことは何か、必要な情報の確認、応援にきた職員との方針確認をする。
(3)トリアージの実際
●傷病者を緊急度・重症度に応じてより分け、治療・手術、搬送を受ける優先順位を決めるその一連過程であり最終決定ではない。
●一次トリアージは、救護所や病院の入り口、災害現場で実施する。医療従事者でなくても実施可能で、2人1組(記入は事務職でOK)で30秒以内に判断していく。呼吸・循環・意識の観察が基本で、トリアージの際に許される処置は気道開放と止血のみ。トリアージの装着部位は、右手→左手→右足→左足→頸部の順にする。
●二次トリアージは、生理学的、解剖学的に評価し、処置・搬送治療の優先順位を確定、応急処置での改善が見込まれるか判断も含める。
(4)災害要援護者への配慮
●避難行動要支援者名簿も活用し、療養中の方、医療継続が必要な方は福祉避難所入所や医療機関への転送も考慮する必要が出てくるため、限られた職員の中でも情報共有ができる仕組みづくりが必要である。
●DMATが避難所活動で入力したEMIS(広域災害救急医療情報システム)項目に準じて医療や介護状況について記入式情報シートを作成し、感染状況も把握する必要あり。
(5)訓練実施に向けての留意点
●救護所の準備・役割分担、トリアージの実際、災害要援護者への配慮など、すべてを網羅した訓練を行わなくても、例えば、「今年度はJアラートの訓練に合わせ、避難所と災害対策本部の情報伝達訓練をする」「トリアージの実際は来年度にして、今年度は職員間でシュミレーションにする」などでもよい。
講演会の様子
講演会の様子
グループワークの様子
グループワークの様子

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