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令和3年度第1回専門研究会(全体)【Zoom研修】

更新日:2021年05月31日

講演会の様子
講演会の様子
令和3年度市町村保健師連絡協議会 第1回専門研究会(全体)【Zoom研修】

1.日時
令和3年5月12日(水)10時~12時

2.内容
(1)開会・あいさつ
   太田会長:本来であれば総会後の研究会であるが、新型コロナウイルス感染症のためオンラインでの研修となる。今後の研修についてもオンライン研修を予定している。総会については書面開催となるため御協力をお願いしたい。

(2)講演会
講演『新型コロナウイルスワクチンとアナフィラキシーの対処方法』
講師 茨城県医療統括監/国立病院機構 水戸医療センター 救命救急センター
安田 貢先生
    ・ほぼすべての年代で流行している。県内は約450人に1人が感染している。
    ・正しい情報が県民に届いているのか?何のための制限なのかを知らなければ正しい予防につながらない。
    ・コロナウイルスはインフルエンザウイルスと比べて、潜伏期間が長い。発症前に感染性があるため、発症してからの予防では遅い。日ごろからの予防行動が重要。
    ・18~29歳を基準とすると、75~84歳では入院のリスクは8倍、死亡リスクは230倍となる。85歳以上では13倍、630倍となる。90歳代では5人に1人が亡くなる。65歳以上から重症化した場合に亡くなるか分かれ目となる。そのため、ワクチン接種は有効と言える。
    ・若い世代では感染後の後遺症が問題。倦怠感(30分座位保持できないほどのだるさ)、記憶障害、睡眠障害、集中力散漫、脱毛(抗がん剤使用レベルの脱毛)がみられる。治るという保証はないため、やはり感染しないことが重要。
    ・欧米ではSARSの流行を機に、基礎研究が進んだ。日本より20年進んでいる。そのため、国産ワクチンにこだわる必要はない。
    ・皮下は血管が少ないため、皮下注射は筋肉注射に比べて免疫が獲得しにくい。アメリカではインフルエンザの予防接種も筋注で行っている。
・接種後のアナフィラキシー症状は、30分以内に出ることが8割。アドレナリン投与により全員が症状回復し、死亡例はない。長期間経過してから現れる副反応は大変まれ。そのため、副反応のリスクよりも感染するリスクの方が高い。住民から相談されたときに、医師や看護師、関係者が正しく回答できるかがポイント。「心配ならやらなくても良いですよ」とは言わないこと。
    ・アナフィラキシーの治療は、アドレナリン早期筋注投与が第1選択。常備薬ではないため、準備が必要。いざというときに対応できるよう、救急車やドクターカー、ドクターヘリなど消防部門との連携が大切。集団接種の日程だけでも消防や医療機関に伝えておくと良い。
    ・日本は欧米に比べて、筋肉注射を避ける傾向にある。そのため、医師や看護師も接種に慣れていない。正しい方法で接種できるよう確認が必要。
    ・ワクチン接種計画については、スピード(早期に、多くの人に)と安全性の双方のバランスが大切。
    ・ワクチン接種後も、免疫獲得まで2~3週間かかる。また、感染していても無症状となる場合が高くはなるが、感染している可能性はある。感染源になりえる危険性があるため予防は継続しなくてはならない。
    ・変異種は1密でも感染する可能性あり。
    ・住民に対する予防啓発は継続すること。やった気になっていては意味がない。正しく行うこと。
①マスクの装着(マスクは感染を予防するものではない。拡大を防ぐもの。誰が感染しているかわからないため、全員マスクを装着する必要がある。)
     ②手洗いと手指消毒。手指消毒はアルコール(エタノール)濃度60~80%が必要。安い物は濃度が薄いことが多い。ただし、やりすぎないこと。健常な皮膚からの侵入感染はない。
     ③換気とは、室内と外気がすべて入れ替わること。窓開け換気はやった気になりやすい。30分に1回以上、数分間程度実施する。
    ・PCR検査・抗原検査は、症状のある場合、今感染しているかどうかを判定する。抗体検査は過去の感染の有無を判定する。そのため抗体検査はあまり意味がない。

(3)質疑応答
時間の都合によりなし

(4)閉会

関連書類

 

 

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