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令和元年度土浦ブロック専門研究会

更新日:2019年10月28日

令和元年度土浦ブロック専門研究会

期日:令和元年10月Ⅰ日(火)13:30~15:30
場所:つくば市役所 コミュニティ棟会議室
出席者:48名

13:30 開会
 司会:石田(市町村保健師連絡協議会)
<演題>乳幼児健診での観察・指導のポイント~学童期以降も視野に入れて
<講師>茨城県立医療大学付属病院 院長 岩崎 信明 氏
<講演内容>
【乳幼児健康診査・発達障害】
 ・3歳児健診:満3歳を超え満4歳に満たない幼児
 ・1歳6ヶ月健診:1歳6ヶ月を越え満2歳に達しない幼児
① 身体所見
② 発達
③ 予防接種の実施状況
④ 育児上問題となる事項
⑤ その他

●発達障害のリスク因子
 ・親因子  35歳以上の初産、20歳未満、母の慢性疾患、頻回流産、両親の精神神経  疾患
 ・同胞   大奇形、発達障害、神経障害、死産
 ・妊娠経過 母の喫煙やアルコール多飲、風疹罹患、妊娠中毒、胎児仮死
 ・新生児  多胎、出生時頭囲30㎝以下、低出生、早産、Apgarスコア低値
 ・新生児期 哺乳力障害、呼吸障害、重症黄疸、痙攣、5日以上の人工呼吸管理、髄膜炎
 ※高齢の母が増え、リスクが増えている。
低年齢の「生理が来ない」には注意。その時期に臓器が作られている。

●検診:スクリーニングして異常の児を見つけ出す。
    ≪異常、グレーゾーン、正常≫ グレーゾーンをどうするか
 デンバー式発達スクリーニング検査:1~2歳のチェックに有効(1.6健診で)
   疑問に思ったら2~3ヶ月で再検!
●境界児とバリエーション
 ・境界児:発達が正常と異常の間にあるもの
 ・バリエーション:発達の変わった形
   正常でありながらある発達項目に関して(1)常識で考えられる個人差を超える(2)順序や期間が普通と異なる(脳障害の既往なし,神経学的正常、脳の検査や頭囲正常、家族歴があることが多い)
   <運動発達のバリエーション>
    ・寝返りをしない
    ・這うことをしない
    ・下肢をつかない
    ・座位から立位になる
    ・shuffring
・独り立ちの後歩行を怖がる
   <言語発達の境界児>
    ・1歳      ストローの使用ができない
             はっきりした発語がないが、jargon以上がでている
    ・1歳6ヶ月   有意な発語がない
    ・2歳      有意な発語が20語以下
    ・2歳6ヶ月   2語文でも「てにおは」が抜ける

【5歳児健診】
 5歳児健診とは、1歳半健診や3歳児健診のような法定健診ではない。「気になる子ども」に対する就学前スクリーニング(発達に特化した)とその後の就学支援をセットにしたもの。
  ~導入の背景―適正発見の考え方~
   ・3歳児健診から就学前健診まで2年以上の間隔
   ・3歳児健診では社会性に関する評価が困難
   ・就学健診では集団健診のため詳細な評価が困難
   ・就学支援が必要な場合でも期間が限られる
  ~目的~
   気になる子どもの育児支援・生活支援・就学支援
   ・診断をすることではない
   ・気づきの場としての重要性
   保護者の問題:気づいていない、気づいていても認めたくない
   保育者(幼稚園・保育園):疑っても保護者に提示できない
   ※提示を無理にするのは禁物だが、「気になる子ども」への適切な保育・就学支援ができればよい。就学前の段階で、子どもの発達特性を把握し、保護者と指導者側で認識し、対処方法が備わった状態
  ~事後相談体制~
   ・子育て相談(保育士)
     子育て一般に関する相談と情報提供
     子育ての環境の評価(家庭の養育力、被虐待を意識)
     心理発達相談につなぐ
   ・心理発達相談(心理士)
     発達に関するアセスメント(心理検査を含めて)
     発達に関する相談と情報提供
     養育・教育相談につなぐ
   ・教育相談(教員)
     就学に関する相談
     学校と保護者との意見調整と情報伝達
     地域特性を考慮した教育アセスメント


15:00~15:10 休憩

15:10~15:25
 グループワーク
「茨城県保健師人材育成指針【第2版】キャリアラダーの活用について」
① 一度やったが、活用していない。書いてはいるが面談はしていない。
部署によってどこをつけたら良いかを悩むときあり。業務が細分化される中で自分を知るきっかけとしてはいいかも。
② 統括保健師との面談を実施してみて
自分の弱い部分はよくわかる。どうしていきたいか、仕事像が見える。  等

15:25~15:30
 まとめ:つくば保健所 健康指導課 小川課長
     キャリアラダーの活用は市町村によって様々だが、今後はどんどん活用していただきたい。

関連書類

 

 

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