茨城県市町村保健市連絡協議会 事業報告 tag:https://www.iba-hokenshi.jp/ 茨城県市町村保健市連絡協議会 事業報告 2023-10-23 令和5年度筑西ブロック専門研究会【Zoom研修】 tag:https://www.iba-hokenshi.jp/, 2023-10-23:177 2023-10-23 令和5年度筑西ブロック専門研究会(Zoom研修) 研修報告書  1 日時  令和5年 10月16日(月) 13時30分~15時30分                   2 内容    演題:「日本に必要なプレコンセプションケア」 講師:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター母性内科  診療部長 荒田 尚子 氏 【プレコンセプションケアとは】 女性やカップルに将来の妊娠のために健康管理を提供すること。男女ともに性や妊娠に関する正しい知識を身につけ、健康管理を行うよう促す取組。 〈目的〉 ・若い世代の男女の健康を増進し、より質の高い生活を送ること ・将来より健康になること ・次世代の子どもたちをより健康にすること ⇒若い男女がより健康になって輝き続ける 【なぜ日本でプレコンセプションケアが必要なのか】 妊娠前からの生活習慣や病気が「妊娠・出産・赤ちゃんの健康」に影響する。 ①若い女性の栄養や活動性の問題  やせと肥満の二極化が始まっている。やせにより赤ちゃんの出生体重が低下すると、将来、赤ちゃんの高血圧、糖尿病、心臓病リスクが増加する。また肥満により妊娠合併症や世代を超えた肥満を起因とする疾病が継承される。  ②若者のヘルスリテラシー(健康情報についての情報リテラシー)が低い。 性と生殖に関する教育が、国際標準に未到達であることが要因と考えられる。 ③予防すべき先天異常を予防できていない。 葉酸サプリ、風しんワクチン、高血糖の予防などで未然に防ぐことが可能と考えられる先天異常対策を行う。 ④若者の自己肯定感が低い ⑤社会的問題:地域格差の広がり・ジュエンダー格差の狭まり ⑥妊娠リスクのあがっている女性の増加がしている 30歳代女性で高血圧は3.3%、糖尿病の可能性は4.4%が疑われるており、妊娠前から健康とは限らない。プレコンセプションケアで改善を。 根本にあるのはヘルスリテラシーが低い。さらに根本にあるのは性と生殖に関する教育の国際水準への未到達が、健康の知識や態度の悪さが原因と考えられる。うまく補いながら、プレコンセプションケアをしていくとよいと考える。 【日本で必要なプレコンセプションケアは?】 海外では母子保健の一部として捉えているが、日本では青壮年保健の一部としてプレコンセプションケアを考えている。 ・国際基準の包括的性教育を前学童期から補う必要がある ・若い世代のプレコンセプションケア ・病気を持った女性に対するプレコンセプションケア ・妊娠リスクの高い女性に対するプレコンセプションケア (高年齢、肥満ややせ、低出生体重で生まれた女性、社会的リスクの高い女性など) ・妊娠・分娩転帰に問題があった女性へのインターコンセプションケア 次世代を含めたライフコースアプローチとしてのプレコンセプションケア 高リスクの人は高いリスクの赤ちゃんを産みがちであるが、早い時期の介入により低リスクに軌道修正することができ、次の世代も健康になる(ライフコースアプローチ)。プレコンセプションケアをライフコースアプローチの一つとして、誰一人取り残さず切れ目なく、生涯にわたり介入していくことが大切である。 【インターコンセプションケアとは】 次の妊娠のためのプレコンセプションケアをいう。次の妊娠のためにも産後のフォローと介入が必要である。  ・肥満ややせの女性は、適正な体重管理 ・妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群を合併した女性は、リスクの減少と定期的フォロー ・風疹抗体価低値は、風疹ワクチンの接種 ・胎児発育不全や死産などは、抗リン脂質抗体症候群の鑑別 ・神経管閉鎖障害の予防には、サプリメントを活用しながら葉酸の摂取 ・遺伝性疾患合併の児を出産には、遺伝カウンセリングなど     【プレコンノートの紹介】 5つのプレコンAction Action1 今の自分を知ろう Action2 生活を整えよう Action3 検査やワクチンを受けよう Action4 かかりつけ医を持とう Action5 人生をデザインしてみよう まとめ なぜプレコンセプションケア? 若者がより健康になって輝き続けること 現在の自身の健康:今輝くために 将来の自身の健康:人生100年時代、将来に備えて 将来の子どもの健康:将来の子どもたちのために 令和5年度水戸ブロック専門研究会 tag:https://www.iba-hokenshi.jp/, 2023-10-11:175 2023-10-11 令和5年度 水戸ブロック専門研究会 研修報告書 1.日時    令和5年8月1日(火) 14:00~16:00 2.場所    ザ・ヒロサワ・シティ会館 集会室1、2号 3.演題・講師  演題 「就学に向けての関わり方」  講師 一般社団法人 臨床発達心理士認定運営機構       代表理事 星 茂行 氏 【5歳児健診について】 5歳児健診は1996年に鳥取県にて発達障害の早期発見につながるものと期待され、始まる。  5歳児健診を始めるためには準備が必要。医師の診察に決まった形式はなく、内科的な診察だけではなく、会話の成立具合、手指の巧緻性、指示に従う様子、情緒の安定性、コントロールする力などを診察する項目が必要である。下記のような項目を確認する。  1 会話  名前、所属の保育園・幼稚園、組の名前、担任の先生の名前、給食で一番おいしいもの、母親の料理で何が一番おいしいか等尋ねる。  2 動作模倣  手を横に挙げる、前に挙げる、目をつぶって立てるか、片足立ちできるか等  3 物の用途を聞く  靴、帽子、お箸、本、時計はなにするものかな?  4 比較概念を聞く  お湯は熱い、氷は?  5 左右の確認(4歳位で分かるようになる)  6 左右を使った構文の理解  右の手をあげて、右の足をあげて  7 安静閉眼  手を膝に置き、よーい初めの号令で眼を閉じさせる。(20秒間閉眼が可能)  8 じゃんけん、しりとり(じゃんけんは90%が可能。じゃんけんができないと学校に進学した時に遊べない問題が出てくる)  9 読字(2文字のひらがな単語を3つ)  あお、はな、等まずは読めることが大切。読めるようになってその後、書けるようになる。 身体発育の確認と、保育園や幼稚園などの集団生活の中で気がつく「落ちつきがない」「動きがぎこちない」「興味に偏りがある」などといったお子さんが抱える課題や困難さを、保護者の方と関係機関が一緒に確認し、安心して生活を送れるように適切な支援を行う。 実施したら、その後どう支援に繋げるのかが大切。実施したままにはしない。 【就学時健診について】 初等教育に就学する直前に行われる健康診断。就学前年度の11月30日までに実施される。身体の疾患や、知的発達の度合いが検査される。就学に問題がない場合は、普通学級に就学。課題が見られる場合は、就学相談を受けるよう指導されることが多い。5月頃から就学時相談を実施している場合もある。 【就学相談について】 教育委員会などで、障害のある場合や、小学校での生活について心配なことがある場合、就学相談(就学する学校や学級についての教育相談)を行っている。 【情報の引継ぎについて】 保育園や幼稚園で個別の配慮を受けていたり、医療や療育などの専門機関に通っていたりする場合は、これまでの支援に関わる情報を小学校に引き継いでおくことが大切。かかわりのあった先生や支援者と一緒に、小学校へ引き継ぎたい情報をまとめておくと良い。 支援情報をまとめて保存するための「サポートファイル(サポートブック)」がある自治体もある。サポートファイルは保護者が持ち、次に繋げられるようになっている。園の情報、今までの健診の記録を記載することで、異なる機関で同じ質問を保護者にする手間が省ける。親の同意書等で、個人情報保護は徹底して行う必要がある。 【アイリスシート(就学支援シート)の活用】 就学前機関から小・中学校への連携の際に活用。情報は療育機関や保育園・幼稚園でアイリスシートを作成し、情報共有に活用する。また、そのアイリスシートを保護者が入学前の学校説明会時に学校へ提出(遅くとも2月までには)することで、必要な情報が共有され、進 学先での個別計画の作成に活用できる。小・中・高と利用できる。 【自閉症児の特徴】 〇感覚の過敏性がある  ・触覚過敏・・スキンシップを嫌う、触られるのが苦手  ・聴覚過敏・・集団騒音、泣き声、耳ふさぎ  ・味覚や嗅覚・・偏食等 〇新しい場面やパターンが崩されることへの抵抗がある →聴覚でなく視覚で情報を提示(TEACCHプログラムなどが有効) 〇状況理解の難しさとコミュニケーションのつまずきがある  ・細かく見ることは得意、いくつかの情報を関連付け全体を理解するのは苦手 →絵カードや文字などの視覚的伝達手段が有効 〇模倣やみたて、共同注意など前言語機能のつまずきがある 【アスペルガー障害について】 〇言語発達そのものの遅れはない 〇発達の偏りが多い。  ・人の気持ちが分かりにくい  ・独り言が多い  ・比喩などが分かりにくい  ・場の空気に合わせられない  ・突然発言する  ・自分勝手な行動をとる  ・自分の決まりを守ろうとし、こだわる 〇運動に苦手さがある 〇LDとアスペルガー障害が重なる部分や、ADHDの注意力散漫さ、衝動性、多動性と重なっていることが多い ・・こだわりがあって多動なのか、多動があってこだわっているのか、見極める。 【事例検討】 言葉の遅れがある幼児(6歳2か月) ・就学時健診で言葉の遅れを指摘。名前の認識はある。 ・おままごとや鬼ごっこなど好きな遊びを通してコミュニケーションが取れる ・鍵盤ハーモニカはできないが興味がある ・4まで数えられる。20ピースのパズルができる。手先は不器用。知的な遅れか、手先の問題か分からない。 ・会話でのやり取りは苦手だが拒否はしない ・保護者は特別支援学級に就学するか悩んでいるが、母親は困り感を感じていない。 以上の事例に対しどうアプローチするかグループワークを実施した。 (グループからでた意見) ・集団での生活はどうなのか、園からの情報収集 ・母の気持ちに寄り添う。母が現在感じていること等話を聞く ・特別支援学級などの情報提供 ・母は困り感がないが、児はどうなのか。困っていることがないか確認 ・数字や手先の不器用さは客観的指標があると母が理解しやすいのではないか。 ・得意なこと、苦手な事の詳細を確認するため発達検査の実施を促す。 ・療育等利用できるサービスの提案を行う。 ・就学時は学校への情報提供を行う。 等、様々な意見を共有することができた。 令和5年度第1回専門研究会(全体) tag:https://www.iba-hokenshi.jp/, 2023-10-11:176 2023-10-11 令和5年度 第1回専門研究会(全体) 研修報告書 1.日時    令和5年5月26日(金) 13:00~15:00 2.場所    茨城県市町村会館 3.演題・講師  テーマ 「今、保健師の地区活動を考える」  演題1 「地区の特性に合わせた地区保健活動について~地区カルテの活用のすすめ~」   講師 東北大学大学院医学系研究科 公衆衛生看護学分野       教授 大森 純子氏  演題2 「地区保健活動 仙台スタイルの紹介」   講師 仙台市 健康福祉局健康政策課       課長 佐野 ゆり氏 講演会  「地区の特性に合わせた地区保健活動について~地区カルテの活用のすすめ~」   【保健師の地域づくり・保健師の保健活動で大切な視点】  市町村それぞれの業務分担が「地区担当制」でも「業務担当制」でも、地域を意識し、「地域の人々の暮らしや健康を守り、人々が望む生活を目指して行われる活動」はすべて「地域づくり」といえる。 〇地域に心が向いていること 〇地域のことを考えながら人と直接話せること が保健師の強み  保健活動のなかで、地域全体をとらえる視点や日頃の活動を地域全体に結び付けて考える視点が大切である。保健活動のツールとして「地区カルテ」を活用することで、日頃の地区活動について目的から成果まで言語化・可視化できる。 →地区を意識したプロセスは全て「地区活動」といえる。 日々の活動を地域と結びつけて考えることで、地域を意識した「気づき」を得ることができ、「気づき」の蓄積から新たなアイデアやアクションを生み出せる。また「気づき」に蓄積は地区の地域診断を深め、社会資源や住民・関係者・関係機関との協働ネットワークを拡充できる。 【地区保健活動のポイント】 地域・地区に出向くことはもちろん、所内での電話対応や事務を通して、地域・地区活動を行うことができる。以下3つのポイントを意識し、自己点検する。 ①住民とのつながりを求める活動 ・地域・地区に出向くことを意識している ・住民の声を聴く努力をしている ・住民から地域・地区の情報を得ている(独りよがりな活動になっていないか) ②地域・地区の特性を考えた活動 ・暮らし、文化、風習、自然環境、地域資源(目に見えるもの・見えないもの・数字として表れるもの)を考えて活動している ③地域・地区という単位を意識した活動 ・個人の支援を地域・地区活動に発展させている ・地域・地区の将来の姿を考えて活動している ・地域・地区診断に基づいて、重点課題や支援方法の検討を行っている。 ・保健師の存在や活動、社会資源を住民に対して知らせる努力をしている。 【地域・地区活動による保健師自身、地域・住民への認識】 地域・地区活動は保健師としての充実感、地域・住民への愛着、地域・住民との一体感等への効果をもたらす。以下のポイントを自己点検する。 ①保健師としての充実感 ・保健師としての活動が楽しい、達成感を得られる、満足している ②地域・住民への愛着 ・地域・地区への愛着がある、住民に対して何ができるか常に考えている、住民とつながることができてうれしい ③地域・住民との一体感 ・住民から頼りにされている、相談しあえる関係である、住民と共にある存在である、地域・地区の住民の間につながりができていると思う 【地域・地区活動を促進する環境づくり】 地域づくりを行っている保健師は、保健師であるというアイデンティティを持っている。地域づくりを行うことが保健師の能力を培うことに繋がっている。地域・地区に出向くことができる環境が大切。訪問等明確な目的があり出向くことはもちろん、明確な目的がなくとも地区にでることも必要。以下のポイントを自己点検する。 ①組織の方針と明確さ ・自治体全体で保健活動と連携する地域・地区づくりの方針がある ・上司や統括的立場にある保健師に、保健活動についての明確な考えがある ・保健師が地域・地区を集団と捉えて保健活動を行うための研修を受ける機会がある。 ②地域・地区に関する情報共有の機会の確保 ・地域・地区の課題を他の保健師、他職種、関係機関と共有する機会がある ・定期的なミーティングがある ・日常的に保健師相互の情報共有・相談支援の機会がある ・保健師の地域・地区活動について、地域住民に対して広報、知らせる機会がある 【地区カルテの活用】  日頃の保健活動を地域・地区を結び付け、他にはない特性を掴み、地域・地区を意識しながら活動することが自然とできるようになることを目指す地区保健活動のツール。地区がどうなりたいかをまず話し合い、決定してからカルテを活用する。カルテは経年的に引き継がれることを想定している。カルテの活用で、より効果的な「地区特性に応じた保健活動」を展開できる。 地区カルテは①フェイスシート②日々の記録③サマリーシートで構成されている。 ①フェイスシート  地域・地区の概要を大まかに理解するためのシート。成り立ち、地理的特徴、住民構成など8項目あり、地域・地区活動を通して得られた経験データ含めて記載・蓄積する。気づいたときに随時記録し、「気づき」や情報を蓄積していく。 →「気づき」から始め、地域・地区の特性や課題を焦点化して、明確化していくためのもの ②日々の記録 活動の中での「気づき」を積み重ねるためのシート。居住する住民の暮らしの視点から現状を把握する。重要だと思う内容はフェイスシートに反映させ整理。気づきに対して「考えたこと」「行ったこと」を記載することで、活動記録として残す。 ③サマリーシート 強み・弱みを捉え、健康課題を抽出し、実現可能性を考えながら優先順位を決定し、地域・地区活動の実施・評価の具体的な計画を立てるためのシート。 【地区カルテ共有による活用】 ・日々の活動の中での気づきや疑問を、主・副担当保健師、エリアの近い保健師間で共有する。 ・管理者を含めて、定期的な共有の場を持つ。 公演会 「地区保健活動 仙台スタイルの紹介」  業務と地区の併用で担当を決めていたが、個別ケースの増加・国や県からの業務が増加したことにより、地区に出ることが少なくなったことから、併用での担当制は継続しつつ、地区分担制を強化した背景がある。 【地区保健活動マニュアルの作成】  仙台市の地区保健活動推進のためにマニュアル作成ワーキングを立ち上げ、大森教授にアドバイザーを依頼。大森教授からは「継承にとどまらない仙台市の強みを生かすSendai styleの地区保健活動を創りましょう」とアドバイスを受ける。 【マニュアルの内容】  1仙台市地区保健活動マニュアル作成趣旨  2用語の定義・・・共有するために共通理解とすることが必要  3仙台市が目指す地区保健活動   ・保健活動の現状と課題   ・仙台市が目指す地区保健活動   ・地区保健活動の主役は住民   ・地区担当制を強化した地区保健活動のスローガン  4地区保健活動の進め方  5Sendai styleの保健活動   ・担当地区の特性や健康課題の明確化(みて、きいて)   ・担当地区の健康課題の共有化(つないで、うごかし)   ・地区の特性に応じた活動の展開(つくって、みせる)  6地区担当制のツール   ・地区カルテの構成   ・地区カルテの活用  7地区担当制推進の仕組み   ・部署横断的会議   ・統括保健師会議   ・コーディネーター会議  8地区保健活動事例集 忙しい業務の中で、情報から分析をするまでの時間がとりにくいため、地区カルテを使用することで、地区の愛着がわいたり、保健師としての力も伸びる。しかし地区カルテをまとめることを目的とはせず、地区に出て住民とふれあい、日々の記録をつける。訪問に行った際に坂が多くベビーカーだと歩くことが大変、バスがなかなか来ない、等ちょっとした気づきで感性を高める。 【地区保健活動例】 〇地区ブロック会議について 区内を各地区の特徴ごと大きく数ブロックに分け、3課の地区担当保健師が集まり、地区ブロック会議を開催。地区の情報共有や地域づくりを話し合う場となっている。 地区保健活動は「見て」「聞いて」「調べて」「つないで」「動かし」「つくって」「みせる」。住民同士の「見守り活動」や「なんでも相談会」、「手洗い講座」「地区活動再開支援」など地区の住民のニーズに応じて活動を展開している。 【地区保健活動マニュアル活用の効果】 1地区保健活動が活発になり新たな展開がある 〇地区への愛着・責任感を持って活動を展開 〇地域の関係者をより多く把握し関係を築いている 〇新たな企画や展開がなされるようになった 2人材育成に繋がっている 〇他課保健師等と地域へ出向く機会が増えた 〇自身の保健活動を振り返る機会となる 〇地区保健活動に対するモチベーションアップ 〇身近なロールモデルが増える 【地区保健活動を推進するために】 1地区保健活動を推進する方針・体制が明確であること  →地区保健活動を各区要領に位置付けたことで、組織的な体制が整い保健活動が促進された 2地区に関する情報共有の機会の担保  →他課地区担当との情報共有や課題に関する話し合いで、自分の地区を意識して活動することに繋がる 3「地区」の捉え方の認識  →「地区」は個別支援のための割り振りという認識から、地区そのものが支援対象であると捉える 4住民との対話を大切に  →話をしようとする姿勢、聞こうとする姿勢が大切 令和5年度専門部会【Zoom研修】 tag:https://www.iba-hokenshi.jp/, 2023-09-06:174 2023-09-06 令和5年度専門部会【Zoom研修】議事録 令和5年7月10日(月) テーマ:「こども家庭センターについて」 演題1「こども家庭センターの概要について~茨城県福祉部子ども政策局青少年家庭課より」 講師:茨城県福祉部子ども政策局青少年家庭課 主査 副島崇嗣氏 改正児童福祉法について(第一部)資料1について説明 ・新たにサポートプラン作成と地域資源の開拓を図ることが追加される。 ・組織体制は、センター長をトップとした指揮命令系統が必要。また統括支援員配置を想定。資格指定はなく、必ず置かねばならないわけではない。統括支援員がいない時は、センター長に相談する。 ・今後ガイドラインが届く予定。 ・サポートプランは原則本人に交付する。様式は国から示される予定。 ・担い手の確保と地域資源開拓についてコーディネーターを配置するなどし、市町村の判断で行う(努力義務)。NPO等を想定。 ・現行では財源が異なるが、R6からは安心こども基金一本化で国が調整中。 ・子ども家庭福祉の新たな認定資格導入。 演題2「こども家庭センターの開設について~土浦市の取り組み~」 講師:土浦市こども未来部こども包括支援課 課長 佐藤千加子氏 ・R5.4月 こども家庭センターの看板設置。 ・市長の子育て政策に力を入れていく、という方針のもと5~6年の機構改革あり。 ・一体化したことのメリットはケース対応では同行訪問、窓口相談同席ができる。ケース会議を柔軟に開ける、実務に専念できる、相談先として案内しやすいことなど。一方デメリットはHCと離れているので出向く負担が大きい(PHN母子12人が移動)。 ・一体化に向けてHCの母子係をどうするかが一番悩んだ(PHN人数半分残すか・・・)。 ・虐待やDV相談が増え、ヤングケアラーについて対応していく必要あり。 ・統括支援員はこども相談係の係長(保健師)。 ・R6からの検討は、児童養護施設の無料化、ホームヘルプ料金など。地域資源の発掘、担い手については必要だが難しい。保健師、SWの職員要望をしている。 演題3「こども家庭センターの開設について~つくばみらい市の取り組み~」 講師:つくばみらい市保健福祉部こども局 主査 小菅真吏氏 主査 藤枝絵美氏 ・伊奈町と谷和原村と合併し、TXみらい平駅がある。合併し人口1万人増。 ・変遷及び設置時の市民等への周知方法についてスライド3参照。 R5.4月から課内室の位置づけから課に変更。ひとり親支援、DV相談等28名で対応している。ママ・パパかかりつけコーディネーターを配置し事業実施している。 ・「親子をひとりぼっちにさせない」 ・連携体制として、心配なケースはセンター職員とママ・パパかかりつけコーディネーターが同行訪問し、常に情報共有している。 ・おやこまるまるサポートセンター業務のメリットは、情報が共有できる、虐待の早期対応・共通認識が持てる、住民にとっても明確化。一方デメリットは、報告物を統一することが大変、突然のケース対応で事業に出られない時がある、事業担当とケース担当が分業になっている、乳幼児健診毎のスタッフ移動が大変。 令和5年度日立ブロック専門研究会【Zoom研修】 tag:https://www.iba-hokenshi.jp/, 2023-08-14:173 2023-08-14 令和5年度 日立ブロック専門研究会(Zoom研修) <日時> 令和5年8月7日(月)14時00分~15時30分 <内容> 講演「言葉のちから 無限大! ~保健師のコミュニケーションスキルを高めるために~」 講師 日本ペップトーク普及協会代表理事  日本コアコンディショニング協会会長 全米アスレティックトレーナーズ協会公認アスレティック・トレーナー 日本スポーツ協会公認アスレティック・トレーナー  岩﨑 由純 氏 〇PEP TALKの意味 ・PEPとは活気・元気・活力のこと、PEP TALKで激励演説・応援演説の意味。 ・具体的にはPEP TALKはスポーツの試合前に監督やコーチが選手に向けて、先生や親が発表会や運動会前に生徒や子どもに向けて、上司がプレゼン前の部下に対して等、大事な場面の直前に前向きな背中の一押しとなるショートスピーチである。 〇PEP TALKの表現 ・短く、わかりやすく、肯定的な言葉を使い、人の魂を揺さぶり、その気にさせるトーク。 ・最善の結果、前向きな姿勢をイメージできるように、事実のとらえ方をポジティブな言語に変換、してほしいことを否定的な言葉を使わず、可能な内容で伝える。励ます言葉とは限らない、  落ち込んだ状態や怒っている状態などでは能力が十分発揮できないので、心を最適化する言葉かけであること。 ・具体的には“負けるな”は否定的な表現なので×、“勝て”は必ずしも可能なことではないの で×、“ベストを尽くそう”が適切。 〇学習性無力感とは ・失敗や挫折は学び、成長、改善のチャンスであるが、ダメ出しされ続けるとやる気をなくす=学習性無力感。 ・学習性無力感から立ち直るためにはアルバート・バンデューラ提唱の自己効力感を高める4つ  のステップが効果的。①成功体験:大きな成功でなく、日常生活上の小さな成功体験を意識する。②代理体験:誰かの成功体験から学ぶ。③言語的説得:今の精神状態にあったちょうど良いポジティブな言葉。④情緒的歓起:自分が前向きになれる場所・音楽・食べものなどを利用。 ・レジリエンスとは逆境や困難でへこんでも撥ね返せるような心の復元力をいい、レジリエンスは生まれつきの資質ではなく、筋肉のように鍛えられる。レジリエンスを身に着けるために言葉の力を身に着けること。 〇怒らないで叱る ・人の言動や失敗を改善させようと叱る、諫めるときに起こってしまう人がいる。本人が活きるように、本気でカラッと短く𠮟ることが大切 〇ペップトーク成功の4つの鍵 ・立場や状況、精神状態などをよく見て、質問力・傾聴力・斟酌力(さじ加減)・表現力を使っ  て、相手が一番言われたいことを伝える。 ・質問力を高めるために、YesかNoで答えるクローズ質問でなく、意見や考えを言えるオープン質問を投げかける。過去にフォーカスすると、言い訳的なことしか言えない。未来質問をする。“何でわからないんだ”といった否定的な質問でなく、“どこまでわかっているのか”といった肯定的な質問をする。 ・怒らないで叱る=行動を改善させるための伝え方も大切。人の言動や失敗を改善させようと叱る、諫めるときに怒ってしまう人がいる。本人が活きるように、本気でカラッと短く𠮟ることが大切。 〇セルフペップトーク ・セルフペップトークとは自分自身への勇気づけの言葉。自分に対しネガティブな思い込みがあ れば、なりたい自分になるための言葉を探して、それを心で連呼したり、言葉をメモに書いて  持ち歩くなどすれば、ポジティブ自分に変わることができる。言葉には人生を左右する力があ る。 ・保健師は誰かのドリームサポーターでもある。ペップトークを使って心を最適化する言葉かけ  をし、相手を元気にその気にさせることができる。そのためにもまずはセルフペップトークで  自分自身がポジティブに。