茨城県市町村保健市連絡協議会 事業報告
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茨城県市町村保健市連絡協議会 事業報告
2026-04-01
令和7年度市町村保健師研修会
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2026-04-01
令和7年度市町村保健師研修会【ZOOM研修】事業報告
日時:令和8年1月23日(金)13時30分~15時30分
テーマ:5歳児健診について
演題1:「5歳児健診について~茨城県少子化対策課より~」
講師:茨城県福祉部子ども政策局少子化対策課 主任 江戸 美穂 氏
【5歳児の国の方針について~市町村における今後の対応に向けて~】
■乳幼児健診に係る閣議決定事項等について
・こども未来戦略方針(令和5年6月)
今後3年間の集中的な取り組みとして「妊娠期から切れ目ない支援の拡充」内に,産後ケア事業の実施体制の強化を行うことと合わせて「乳幼児健診等を推進する」とある。
・こどもまんなか実行計画2025(令和7年6月)
ライフステージ別の重要事項として,「こどもの誕生前から乳幼児期まで」内に,乳幼児健診の推進が続けられ, 1ヶ月時及び5歳児の健康診査の実施に係る支援を進め,全国展開を目指すということが決まっている。
■母子保健法第13条の任意健診。他の健診は地方交付税措置であるのに対し,5歳児健診は国庫補助が受けられる。
■5歳児健診の概要
・目的,実施担当者,対象者,項目等について
・医師の診察が求められている
■国が出している国庫補助について
・実施主体:市町村
・補助率:国 1/2 市町村1/2
・補助基準額:5,000円/人
■乳幼児健康診査実施支援事業
・市町村事業として活用可能な補助あり
①健診医や多職種連携のための専門職等の確保のための派遣費用等の補助
1市町村あたり 884千円
②各健診の運営や基礎的な事項に関する研修,5歳児健診特化のフォローアップ体制の
研修費用 1市町村あたり293千円
■国庫補助の申請状況(最新の国のまとめ)
・令和6年度 3自治体/茨城県
・全国的にみても13%
※令和7年度 茨城県内,9市町村が5歳児健診を実施
■5歳児健診に関する課題(令和6年度こども家庭庁調べ)
・小児科医等の健診医,医師以外の専門職の確保が困難
・紹介先医療機関,紹介先の療育のキャパシティがない
・地域のフォローアップ体制が整っていない
■自治体における5歳児健診に関する課題と対応
①健診医等の不足により自治体内の全5歳児を対象とした健診体制が組めない
・二段階方式での実施が可能
・医師等専門職の健診や健診医派遣調整のための支援事業を創設
②発達面の評価を主目的とする5歳児健診の実施方法がわからない
・令和6年度に保育園との連携等に関する事例集を作成・周知
・有益な情報を含むポータルサイト公開
③要フォローとされたこどものフォローアップ体制の構築が課題
・関係省庁と連携して行えるよう通知している
■二段階方式及びモデル実施について
・令和7年度8月14日こども家庭庁成育局母子保健課通「令和7年度(令和6年度からの繰越分)母子保健衛生費国庫補助金に係るQ&A」問3-1,問3-2に詳細掲載されている
■5歳児健診の具体的な実施方法等について(下記参照)
・5歳児健康診査マニュアル
・5歳児健診ポータルサイト
・茨城県 母子保健センターで5歳児健診に係る情報交換会(令和8年1月29日)を開催
令和8年度実施計画について市町村間での情報交換
演題2:「5歳児健診の立ち上げから実施について~鉾田市の取り組み~」
講師:鉾田市子ども家庭課 技査 堀田 いづみ 氏
■鉾田市の乳幼児健診
・年に1回は保護者と会えるように設定している
乳幼児健診(おおむね4か月頃),1歳6か月児健診,2歳児歯科健診,3歳児健診,5歳児健診
・医療機関の協力について
病院2か所,診療所13か所中6か所
歯科16か所中9か所
■5歳児健診の立ち上げ~健診に期待されること
・県から5歳児健診のモデル事業に補助金交付に関する通知があり,手を挙げたことがきっかけである。当時の健康増進課母子保健担当が立ち上げた。平成28年7月から約2年間モデル事業として実施。平成30年4月から市の単独事業として事業継続。令和6年4月からは子ども家庭課で補助金交付を受け継続しており,今年度で10年目を迎える。
・当時の課題や発達に課題のあるまま就学を迎えない,子育て不安軽減のために5歳児健診のモデル事業の話は効果があると感じられた。
・こどもたちを観察する機会や保護者と話をする機会ができれば,こどもの特性に応じた関わりや環境整備ができ,安心して就学を迎える流れができると期待された。
■健診開始するまでの流れ,検討事項
・対象児の所属園に普段の様子を聴き取り,健診の時との違いから発達課題を見出す
・初めての健診のため,健診の必要性を組み込んだ案内文の通知
・発達課題を見えてくるための問診票の作成
・健診当日の行程,スタッフの人数・配置,発達課題を誰が伝えると効果的か
⇒(課題)
・診察をして発達の課題を伝えるのは医師,発達の特性を見極めるのは心理師,こどもたちに課題を出すのは保育士がいいとなったが,常勤ではない職員確保をどうするか
■各関係機関に協力依頼
・幼稚園,保育所:教育委員会や子ども家庭課,所属園への説明
・案内文,問診票:行方市に聴取,鳥取県マニュアル参考,心理師に相談
・心理師確保:健診等に協力いただいている心理師に直接相談
・医師確保:医師会長に相談後,健診協力していただいている小児科に直接相談
■対象者,方法,回数,事前準備,健診当日の行程,役割分担等具体的に決定
・問診票には,健診の様子を所属園や教育委員会に情報提供しても良いか,保護者の同意欄を設けている。
■5歳児健診を始めて顕在化したもの
・時間が必要(観察項目が多い,進行の停滞,児が飽きて集中力低下)
・集中力低下もあるのか,気になる児が増加
■コロナ禍の実施方法
・令和2年度のみ所属園巡回方式で5歳児相談という形で実施。保護者が見ていないため,結果に関して問い合わせが多数あった。
・令和3年度は短時間で行えるよう課題を絞り,集団形式に戻した。
■行動観察時のチェックリスト
・1グループ,A4用紙1枚に収まるように準備し各スタッフに渡す
■診察時記入用紙
・保健師が使用する。児1人に対し1枚準備。
・保護者にも感想を聞き,やり取りを記入。
・受診,個別相談,園での様子の確認なのか等保護者と一緒に今後の方針を決めている
■健診の成果
・資料参照
・保護者がどう捉えたかスタッフが直接確認できて,今後のアプローチを考えられる
・健診後に心配事がでてきた保護者が相談することが増えた
■課題
・資料参照
・保護者としては,手塩にかけて育てたこどもを否定された気持ちになり,良い気持ちはしない。自分の子育てを否定された・責められたように感じることもあると思う。
・保護者に寄り添うためにどうすればよいか,支援者側も考える
・3歳児健診までに支援者側が気づいたことがあれば,保護者に伝えておいた方が良いのではというところに行きつき,一昨年あたりから所属園からの聴き取りをするようにしている
■令和6年度受診結果とフォローについて
・資料参照
・精神面)要観察44.2%,集中力がない,指示行動できない,聞いていない,椅子に座っているときに足をばたつかせ落ち着きがない等
・フォロー:診察時に受診を勧める,別日に心理相談をする,ことばの教室や福祉サービスの案内,所属園や保護者に連絡する等
・健診結果は,所属園にも伝えている。健診後に何かサービスにつながらなくても,所属園を通じて担任から保護者に聴き取りすることもあるため,所属園と連携している。
・保護者の声:ことばの教室を勧めた後,教室に通ったことでことばが聞き取りやすくなった,あの時に言ってもらえて良かった。
・担当者として:保護者の子育ての困り感が少しでも軽減できて,こどもとの関わりが良くなれば良いと考える。健診時,身体所見は目に見えるためフォローにつながりやすいが,精神所見は目に見えないものが多く,保護者が納得しないとフォローがしにくい。保護者にこういうところに困っていないかという聞き方をすると,保護者が打ち明けてくれることもあるため,その時にフォローができる体制づくりをすることが担当としてできること。
・健診で困り感を抽出するため,1歳6か月児健診以降は公認心理師に当日相談を依頼している。また,園の先生方が日々の支援に困らないように,公認心理師による療育講演会を実施している。
演題3:「5歳児健診の立ち上げから実施について~阿見町の取り組み~」
講師:阿見町おやこ支援課 保健師 石川 美由希 氏
■5歳児健診の概要(資料参照)
・令和7年度から5歳児全員対象の集団健診を実施
・対象者には1か月前に通知
・実施項目について,入学準備相談は,就学相談についての情報提供を個別に実施。心理相談と入学準備相談は希望者のみの実施。
■健診を始めた経緯
・資料参照
・5歳児でフォローが必要な児を就学時相談にしっかりつなげていきたいという思い
・令和7年度からこども家庭センターが新設され新体制となることが令和6年度から決まっていたため,新体制になる前に準備をしてこども家庭センターの新設とともに5歳児健診を開始するという方針となった。
■健診実施に向けての準備(資料参照)
①実施方式
②医師への協力依頼
・町内の小児科医が年々減っている状況で,集団健診の回数を増やすことが難しいため,事業全体を見直し5歳児健診を実施する代わりに4か月児健診をなくす方針とした。
・医師に依頼する回数は変わらず。依頼時は,5歳児健診ポータルのアドレス,国から届いたマニュアルをお渡しした。
③教育委員会への協力のお願い
・教育委員会担当者もフォローが必要な児が就学時相談に至らないことを課題に感じていた。
・健診初回,スーツで背広を着て堅い印象であったため,相談しやすい印象の服装にしていただいた
④集団行動の把握
・健診中に集団教室を実施せず,別の方法を検討
・保護者が園での様子を把握できる方法を検討
→「園での様子共有シート」を作成
・「園での様子共有シート」は保護者または園の先生が記入
⑤巡回相談の見直し
⑥問診票の作成
・A3用紙,両面
・発達全般の部分は,心理士より数概念も確認した方が良いと助言あり,国のマニュアル+数概念(1~5まで数えられますか)の項目も追加
⑦保健相談で実施する課題検討
・医師診察で課題を実施すると,診察に時間がかかるため,保健相談の場で保健師が実施。
・課題は,「コミュニケーション」「物の用途」「しりとり」「じゃんけん」。国のマニュアルを参考にしたり,心理士に相談したりして決めた。
⑧受付番号のシールを作成
■5歳児健診の実施結果
・受診率は,95.3%。未受診者は,3歳3か月児健診にも来ず訪問対応した家庭で,大体は受診している。未受診者は電話連絡し,児の様子を聞いてその後のフォローを検討。
・保健相談:6~7ブース。受診者全員。
・心理相談実施:基本1ブース。1人につき40分ほど時間がかかったため,人数が多い時は2ブースで対応。
■良かった点
・就学前に,児・保護者のフォローができる体制となった。今までフォローしていなかった児でも5歳児健診により,フォローの対象に挙がってきたり,発達個別相談につながったり,保護者の就学に向けての心配に対応できている。
・年中・年長の初期からの早期支援につながっている。保護者としては,就学相談の先生と対面で助言してくれること,就学に向けての流れを具体的に知ることができるため,今後教育委員会に相談しやすくなっていると考える。
・「園での様子共有シート」は保護者が記入することがほとんどだが,保健師が確認することで集団生活の様子を聞くことができている。集団行動に課題がある児については,園の先生が記入していただいていることもある。園での様子を保護者が把握してくれているため,支援のしやすさも感じている。ただ,「園から保護者に伝えづらい」「伝えても家族にうまく伝わらない」ということもあるため,園から直接連絡をいただくこともある。
■課題
①「園での様子共有シート」について
・園より園での様子を先生に聞かないで健診に臨んでいる人がいるという指摘
→運用の仕方を各園に確認し,集団生活の様子を町がどのように把握するかについて検討していく必要あり。
②園との連携
・現在は,町が園との共有が必要と判断した児のみ共有している。園との共有について,保護者から同意はもらっていても,園との共有方法については今後も検討していく必要あり。
③巡回相談
・検診と巡回相談の情報共有システムを構築する必要がある。
演題4:「5歳児健診の立ち上げから実施について~下妻市の取りみ組~」
講師:下妻市健康づくり課 課長補佐兼係長 湯本 陽子 氏
■5歳児健診開始までの取り組み
①当時の現状
・発達相事業を月2回,1回3~4ケース実施してきたが,ことばの遅れ,こだわり,癇癪,多動といった情緒や行動に課題のある4~5歳児の相談が増え,予約がなかなか入らない状況が続いた。3歳児健診以降でこどもの成長を確認する場がないことから,県の5歳児健診等モデル事業を活用し,平成29年度から「5歳児発達相談」を開始。
・資料参照
②5歳児発達相談の内容
・資料参照
・下妻市は,虫歯の罹患率が高く歯科チェックを実施
③5歳児健診への移行
・資料参照
・発達相談では,集団生活に入ってから顕著になる児の成長発達の躓きや子育ての困難さ等の特性に保護者が気づくことができ,相談につなげ必要に応じて専門的な発達支援を受けられる場となること,保育施設・教育委員会・福祉等関係機関との連携を深め,子育て療育体制を構築できることを感じていた。医師が入ることで,より専門的判断が可能となるため,5歳児健診の導入を検討。
■5歳児健診について
・目的,対象者,実施方法,実施時間については資料参照
・巡回型と来所型による集団健診の組合せ
・実施時期:5月〜10月。健診後の支援教室を利用する期間を増やすこと,保護者や児に早期に関わることを目的とし,前半に実施している。
・実施時間:保育施設では午後にお昼寝の時間となってしまうことが多いため,午前中とした。医師の診察にある程度の時間がかかることを見込み,5歳児が多い保育施設は2日間に分けて今年度は実施している。
①健診当日までの準備(資料参照)
・対象児の日頃の様子が分かるよう先生方が気になるところ,困っているところを記入いただく事前質問票の作成を依頼。質問票には,児の氏名を全て入れて園に渡している。
・保護者宛の通知文には,5歳児健診の目的等を入れて保護者に意識付けや理解を促している。
・問診票は,表面を家族に事前に記入してもらう。(回収は保育施設)
・健診実施日の約1ヶ月前に保育施設の事前打合せを実施。回収していただいた問診票の受け取り,当日の流れの確認,事前質問票を元に気になる児の情報交換を図っている。
・保護者の心配事,3歳児健診の状況,過去の関わりの経過等をまとめたスタッフ共有シートを園ごとに作成し,スタッフや各保育施設の職員全員に渡して健診を実施。事前に医師にも共有している。
②健診当日の流れ
・事前カンファレンス:医師以外のスタッフ全員。これまでの乳幼児健診の受診状況,家庭環境,注意を払う家庭,支援事業に繋げたい5歳児,保育状況等の情報共有を実施。
・対象の児は,名簿順にビブスを着て実施。
・身体測定:低身長が疑われる児は成長曲線に記入して,伸びを確認
・スポットビジョンスクリーナー
・朝の活動・制作等の観察:集団活動。保育施設によって多少内容は異なるが,健康づくり課から内容を提示しており,保育施設の担任の先生を中心にいつもの通り行っていただく。
・精神・言語発達の確認:心理職が1人ずつ面談。会話,口音等の確認,じゃんけん,しりとりなどのルール理解,微細運動などをみていく。
・動作模倣・サーキットトレーニング:1人ずつインタビューをしてから,ケンケンパ・ジャンプ・平均台等の動作を通して,運動機能や順番が守れるかといった行動をみている。
・小児科医師の診察:3分程度/人。計測値,精神・言語発達の状況,運動機能の発達を診察し医学的判定を行っている。
・事後カンファレンス:当日の様子,日頃の様子,保護者が記入した問診票の内容等を踏まえてスタッフ全員で行い,異常なし,既医療,要医療,既療育,要相談のいずれか総合判定を行っている。判定基準は,5歳児健診マニュアルを参考にしている。
・場所は,ホール内で各ブースを作って実施。園の設備に応じる。
■5歳児健診の受診結果
・支援教室を案内する「要相談」の割合:約3割(令和7年10月時点)。支援教室の案内チラシをお渡ししている。
■5歳児健診後の支援事業(資料参照)
・個人結果票に当てはまる内容の事業のチラシを同封して案内
①小児科医との相談会:巡回型は保護者不在のため,十分な説明ができないデメリットあり。健診の結果に疑問を持ったり,子育てに悩みがある保護者に対し対応する場が必要と考え,5歳児健診を担当していただいた小児科医による相談会を今年度から実施
②5歳児キッズ:要相談判定となった方を対象とした集団で利用する事業。
・こどもの成長発達の確認,保護者が児の特性に対する理解や相談,就学へのつなぎを実施。
・年中児と年長児を対象。
・リトミック・サーキットトレーニング・リズム体操・おやこ体操等体幹やバランスを養う遊び,絵本の読み聞かせ,工作・粘土,ことば遊び,興味の幅を広げる遊び,社会性を育むルール遊び,就学に向けた学習指導。
・スタッフは,保健師,保育士,健康運動指導士,元教員。初回参加者には,必ず面談を実施し5歳児健診での様子を伝えたり,保護者の気になることなどを話し合い,今後の支援について相談していく。
・必要に応じて,発達相談事業,医療機関,障害児福祉サービスなどに繋げていく。面談は定期的に実施。
・5歳児キッズの開催日に合わせて,年に2回就学担当課の担当職員に参加していただき,修学に関しての相談の場を設けている。
③ことばの教室:発音不明瞭,吃音など言葉に関する教室。1人20分の個別対応。教育相談員,保健師が担当。
④ペアレント・トレーニング:公認心理師,保健師が対応
⑤訪問型家庭教育:就学に向けて支援が必要と思われる家庭を担当課に繋ぐ・
⑥⑦は随時担当課に繋いでいる
⑧各小学校との情報交換
・市内全小学校に伺う。
・次年度就学する幼児について,5歳児健診の結果で要相談だった児の情報を提供し小学校の先生方と意見交換をしている。
・学校支援課,子育て支援課,健康づくり課の庁内の関係課が参加している。
・注意深くみていただくために就学時健診前に実施。
・前年度に情報提供した児の就学後の様子について先生方から話を伺っている。新入学児の情報を把握することができ,支援体制を構築する上で参考になった。配慮を要するお子さんに注意を払いながら見守ることができたというご意見あり。
■5歳児健診の成果・課題
・資料参照
【Q&A】
(下妻市に質問)
Q 結果の伝え方について,郵送で保護者は知ることになり,その方に合っていると判断される市の教室のチラシも同封しているということか。
A 個人結果票を作成し園を通して配布している。その中に御案内する事業があれば,チラシを同封する。園にも結果を提供して連携を図っている。
Q 保護者がいない中での実施だと思うが,郵送で結果を通知し何か御意見や対応に苦慮した点はあるか。
A 5歳児発達相談を開始してから時間が経っているため落ち着いてきているが,今でも結果の理由についての問い合わせは入る。ただ,発達相談を開始した当初に比べると質問は減ってきている。当初は,要相談になった家庭に理由を電話連絡していた。現在は,結果票を作成することで対応している。口調荒く問合せが来ることもあるが,理由をしっかり説明すると最後には理解され,支援教室に繋がっている。
Q 園での実施だがスペースや物品等園にお借りすると思うが,園の反応は?
A 最初から快くお借りできた。
(阿見町に質問)
Q 医師が1人で30~35人を診察していると思うが,受付から最終カンファレンスまでかかる時間はどれくらいか。
A 受付時間は12時30分~,13時~,13時30分~,14時~,の4段階で実施。14時10分まで受付時間は設けている。医師は12時45分から依頼している。大体15時くらいまで診察していただいている。カンファレンスまで入れると定時くらいまでかかっている。
Q 受付時間を4段階に分けているということは,4グループに分けて実施しているのか。
A 4グループに分けて,待ち時間ができるだけ少なくなるように調整している。
(鉾田市に質問)
Q 健診のスケジュールは?
A 13時30分まで受付,13時30分~14時身体計測(2グループ全て),14時~15時行動観察,15時~16時30分ごろまで診察,16時30分~17時近くまで情報共有の時間となっている。
Q 未受診者への対応(どこまで追っているか等)はどうしているか。
A (鉾田市)全員。次年度には100%受診となっている。
(阿見町)2回くらい来ない時は園に連絡し,様子を確認。大丈夫そうであればフォロー終了。気になることがあれば,訪問する等個々でフォローを検討。
(下妻市)はがき送付,園の先生に協力いただく,保護者に連絡するという方法で受診勧奨している。今年度は健診が終わってしまったため,健診後フォローにあった,小児科医への相談に繋ぎ診察していただく予定。今年度,2名ほど受診していない児がいるため,フォローをしている状況。それでも繋がらないときは園に確認している。
令和7年度土浦・筑西ブロック合同専門研究会
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2025-10-22
令和7年度土浦・筑西ブッロク合同専門研修会
1 日時 令和7年9月30日(火)13:30~
2 会場 茨城県市町村会館 201会議室
3 演題 「人々の元気を支える★保健師のコアとすごワザを確認しよう!」
講師 大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻
教授 岡本 玲子 氏
4 内容
【保健師のすごいこと&保健師のコアを確認しよう!】
1937年に法律ではじめて保健師という言葉が使われました。諸外国では、「看護師・助産師法」が大半で、保助看をそろえて法制化している国はみられません。日本は、諸外国とは違い保健師を冠する保健師助産師看護師法を持つめずらしい国です。また、保健師の約7割が行政機関に所属し対人支援・政策の両面から全国の公衆衛生の向上に取り組んでいることも特徴の一つです。
しかし、保健師には保健師全体の協会などがなく、全国保健師長会などのいくつかの団体が存在します。それぞれの団体が様々な意見等を発信しても保健師全体の総意とはならないことも課題の一つです。
保健師の総意の第一歩としてデルファイ調査の結果を見ると、合意に達した保健師のコアは、国内外の各種枠組みの内容を網羅していることが分かりました。
※保健師のコアバリューとコアコンピテンシー
コアバリュー
保健師の価値・規範であり、行動や意思決定の基準であとなる根源的な考え方。
コアコンピテンシー
保健師の中核となる能力であり、考え方や姿勢、行動特性が含まれる能力。
【プチトーク(シンク・ペア・シェア):この実践に詰まったコアを読み解こう!】
事例をもとに、コアバリューとコアコンピテンシーの分類についてペアワークを実施し、発表しました。
ペアワークを通して様々なコアバリューとコアコンピテンシーを見つけることができ、また、他の発表を聞くことで新たな気づきを得ることができました。
【セルフチェック:あなたの実践に根付いた保健師のコアの認識タイム!】
自分がこれまで実施してきた活動などを思い起こし、コアバリューやコアコンピテンシーに該当するものがあるか振り返りを行いました。実際の活動を思い浮かべながら、先生の話を聞き、普段実践している活動には、たくさんのコアバリューやコアコンピテンシーがちりばめられていたことに気づき、普段の活動に自信を持つことができました。普段から、コアバリューやコアコンピテンシーを意識することで、視点が広がりより良い活動につながるのではないかと感じました
【グループトーク:「私」の気づき&「私たち保健師」のすごワザを言葉に!】
各グループで、この研修会を通しての学びや気づき、自分の活動を振り返ったことで気づいたコアバリューやコアコンピテンシーなどについて話し合いました。
お互いの活動や経験を共有し、フィードバックすることで、新たな気づきを得ることもできました。
グループ発表での意見では、「普段の業務を言語化したり、言葉に落とし込んだりすることがなかった。コアバリューやコアコンピテンシーに落とし込んだことで自分たちの活動を意味付けできたことがよかった。」「普段、コアバリューなどを意識して実践していかなかったが、後輩にも伝えて意識していくことが大切だ。」などの意見がありました。
【コアは保健師の自信と誇りの土台~普及と活用へ~】
公衆衛生とは、人間がより人間らしく生きられるための「生」を衛ることであり、基本的人権を衛ることが使命です。公衆衛生を支える保健師は、人々の「生」を衛る大切な役割を担っています。
「自信と誇りをもって」私たちが活動するためにも、私たちの活動を言語化し理解を得ること、コアバリューやコアコンピテンシーを意識活動していくことの大切さを学びました。
令和7年度第1回専門研究会(全体)
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2025-07-28
令和7年度 茨城県市町村保健師連絡協議会 第1回専門研究会 記録
演題:「DXで保健師活動はどう変わる?~今保健師が取り組むべきこと~」
講師:慶応義塾大学看護医療学部 教授 田口 敦子 氏
(講演内容)
元は保健師として活動していて、やっぱり保健師活動の中でもDXを活用していかなきゃいけない時代になり、厚生労働省からぜひDXをどう保健師活動に取り入れて、ICT活用にというよりはPDCAを回していくことをテーマとして取り組んでいました。保健師というのはなかなか活動が見えにくい。黒子の立場になってしまう。それは、立場としてはしょうがないことがあるかもしれないが、社会的には見える化することが重要。それが10年20年そういう評価をしよう、見える化しようというテーマで、ずっと取り組みをしているがなかなかそこがうまくいっていない。なんとかDX×保健師活動をちゃんと見えるようにしていこうっていう厚生労働省派遣の企画によってテーマを反映した。皆さんと一緒に考えていきつつ、今わかっていることをお話していきます。
今日お話するのは、4点なっておりまして、まずDXとICT活用の基礎知識です。だいぶ市町村によって差があるというような話もいただいておりましてこのあたりも、それぞれの皆さんの立場だったり、年齢だったりとか、あと環境によって結構違うのかなと思うんですけど、基礎というところから、自治体DXにおけるDX推進の動向ということで、何でこのような流れが来てるかっていうことをちょっと国の動向とともに皆さんにお伝えしたいと思います。保健師活動、DX先駆的な事例から学ぼうということで、何ヶ所かちょっとパターン違うものを紹介して、厚生労働省派遣で私が取り組ませていた研究のご紹介をして終わります。
3年前は、ご存知ない方が多かったんですけど、知っているって思われる方が増えてきたかなと思ってデジタルトランスフォーメーションっていうのが何かということです。これはDXの定義はICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること。ICTは情報通信技術、デジタルデータのやりとりに関する技術。ITは情報技術、デジタルデータの処理に関する技術。似た言葉としては、スマホ、パソコン、zoomなどのこういうのは全部ICT皆さん方手に取ってらっしゃるものを総称して、コミュニケーション取れるツールということです。ICTの言葉でITという言葉を聞いたことあると思うのですけれども情報技術というものになります。これはインフォメーションテクノロジーをデジタルデータの処理に関する技術というものになっています。国の文書とか見ると、IT、ICTが混在しているものも多いですが、主に今ICTを使用しています。DXの大事な点というと、単なるデジタル化ではなく、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させることが含んでいます。デジタルの力を活用して、保健師が専門性を発揮でき、住民の幸せをもっとコミットできる仕組みを目指すところが本日お話したい要点の1つです。DXの構造としては、デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーションという構造がある。この構造がDXとなる。デジタイゼーションはアナログ・物理データのデジタルデータ化、カルテ記録のデジタル化。デジタライゼーションは、個別業務・製造プロセスのデジタル化。アプリ内での子育て世代の市民と双方向的な相談。モバイルパソコンによる家庭訪問や健診時で即時入力。デジタルトランスフォーメーションは、最上位であり、1番重要である。組織横断、全体の業務・製造プロセスのデジタル化。保健師であれば、デジタル化によって家族に会う時間を確保しサービスの質の向上すると思う。DXで保健活動に何が起こるかというと、組織の変革が行ってくる。職場で1人1台パソコンを使用している。例えば、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)といういわゆる母子保健や特定保健といった健康関連データの共有や保健専門職の介入効果の見える化が進むといくのではないかと考えています。やっぱり単に健診データがあっても実際それが何で効果があるかというと、保健師が介入して、なんでこのデータが改善したのかっていうところを見えるようにしていくことがやりやすくなる。そうすると、やっぱり保健師は何をしてるのかを問われるような時代が行政保健師だけじゃなくていろんな職種の見える化が進んでいくわけです。そんなとき、保健師は何してるのかということが見えないとマンパワーと事業の打ち切りになることも懸念されますが、そのあたりを問われたらそこに答えていくことが大変重要だと思います。あと、サービスの変革ということは、デジタル化で業務の効率化とコストカット化をして、生み出した時間をどのように住民に質の高いサービスの提供を行えるのかをちゃんと構想として持つこと、そのあたりもすごく考えていくのに、デジタル活用してPDCAを回すような仕組みというのがより大事になっていきます。
全国調査を2年前ぐらいに行いました。ICT活用・デジタル化の順調度の結果ですが、全体を見ると70%が順調ではないという結果になっています。自治体の種別によって落差があり、都道府県は高く、政令都市は順調。どんなことが順調ではないのか、インターネット環境が不十分というところが、全体の26.4%、保健所設置市は42.9%不十分と回答しています。利用可能なICT機器の不足についての質問ですと、先ほども記録のために順番待ちをしているという話も時々聞きくので、パソコンやタブレットが不足していると政令都市や保健所設置市が回答している。また、全体の6割の自治体がICT活用やデジタル化に取り組む余裕がないと回答しています。予算の確保が難しいと5割ぐらいのところが該当していると回答している。スキル不足、本当に苦手意識が結構大きいです。講演依頼があったときに、とにかく苦手意識があるのでわかりやすく先生からお話くださいと言われるところが多くて、その辺はなかなかこれから高めていく必要があるのかなと思います。でも、分からなくてもいいので、やっぱり自分たちが必要な何か、自分たちがやりたいということがやれる範囲での知識でいいので本当に基本的なところから学んでいかれるといいかなと思う。
DX推進の動向というと、国の2020年に閣議決定されたところが一番発端になっていると言われています。目指すデジタル社会のビジョンということで、デジタルの活用により、1人ひとりのニーズにあったサービスを選ぶことができ、多様な社会の幸せが実現できる社会。誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化ということが打ち出されています。20年10年前からその兆しはありましたが、そこでより加速化しましたが、コロナがきっかけでさらに加速化されたと思う。総務省の自治体DX推進計画の中にも入っていまして、デジタル技術やデータの活用によるサービスの利便性向上、配信サービスや手続きがもっと効率化されるように、AI等の活用によって業務の効率化が進むように使っているので、EBPMですね。いわゆるエビデンスベースにポリシーメイキングなんです。政策を作っていくということですね。そういったことも推進の効率化、高度化を図っていこうということです。これは一番最初に述べたPDCAも繋がるんですけれども政策作りっていうところ保健師もやっぱり関与してる。行政にいる限りは関与してるってことだと思うんですがそこでどんな政策を立てていくか。今ってあんまりデータが取れる仕組みがない。何か統計とか取られてるけど、あまり何か活用されてなかったとか、こんなデータ欲しいなと思っても、なかなかあったりしますよね。そういった意味でなるべくEBPM、ちゃんとエビデンスに基づいた政策立案ができるようにこれを法律してデータをちゃんと取って分析していこうというようなことがこの柱にはあります。
2001年から行政保健師サービスにおけるDX・ICT活用の動向が進んで保健医療分野の情報化に向けてのグランドデザイン、医療情報電子化にむけたICT活用の取り組み。2001年頃の自治体はおそらく紙媒体がメインだったと思うんですが、先に病院のほうが、電子カルテの導入が始まっています。なので、看護職も病院のほうが進んでいる。自治体も保健師活用は病院の電子カルテから学ぶことがあると考えています。このように徐々に電子化が進み、なかなか病院のほうが自治体より多様性がありますので、一気に電子カルテを推進できないので、だいぶ時間がかかった。病院は先に電子化が進み、自治体は2010年から取り組みが始まりました。厚生労働省から出されているデータヘルス改革に関する工程表は、2025年度最終年度まできていますが、私達に関係するところといえば、乳児健診とか妊産婦健診、特定健診をマイナポータルで閲覧ができる。保健師ではなく、住民が見ることができる。このような感じで整備されています。住民たちが見るということになるが、皆様も自分のマイナポータルから自分の健診情報とかは見れますので、確認いただければと思います。このような感じで一気に整備、より利便性の高い閲覧環境のあり方の検討というのが随時始まっております。もっと便利になるための話し合いも進められております。さらに2022年になりましたら内閣府から、医療DX推進本部も設置され、ここでも工程表が出されています。ここのコンセプトを共有しますが、医療分野でのDXを通じたサービスの効率化、質の向上を実現することにより、国民の保健医療の向上を図るとともに、最適な医療を実現するための基盤整備を推進するため関連する施策の進捗状況等を共有・検証することを目的に立ち上がっています。自治体一部として、国民の保健医療の向上を図り、あと最適な医療を実現するための基盤整備の推進が進められていて、主に具体的なことが全国医療情報プラットフォームの創設です。プラットファームとは、1つの箱のような一元化されたもの。今までいろいろな様式で、例えば健診情報とか、標準化が図られという、いろんな様式で書かれているものを集めたものです。なかなかプラットフォームにならないのでちゃんと様式を揃えて、一つの部屋に入れて、みんなが活用できる必要なものにしていくというのが、プラットフォームであります。キーワードの標準化です。とにかく全国でそれを標準化していくことで、あのデータをきちんとそこに共有してみんなが使いやすいように、作りましょうという意味です。診療報酬改定DXという、なかなか診療報酬も根拠になるようなものなどプレゼンに苦労していたり、そこにマンパワーがさかれていたりということがあると思うんですが、その辺も効率化していこうというような目的もあるようです。
医療DXとは、保健・医療・介護の各段階(疾病の発症予防、受診、診察・薬剤処方、診断書等の作成、診療報酬の請求、医療介護の連携によるケア、地域医療連携、研究開発など)において発生する情報やデータに関し、全体最適された基盤を構築し、活用することを通じて、保健・医療や介護関係者の業務やシステム、データ保存の外部化、共通化、標準化を図り、国民自身の予防を促進し、より良質な医療やケアを受けられるように、社会や生活の形を変えていくこととあります。大変多岐に渡っており、いろいろな団体でデータ化を抑えて、それぞれ連携しやすいように意識していて、大事なのは、国民自身の予防を促進することが大切である。また、単にデータ活用するのではなく、住民の予防を促進する、医療やケアを受けられるようにやっていきましょうとしています。単にデータをデジタル化するのではなく活用するだけではなく、住民が療育なケアを受けられるようにすることが大事になっていきます。誕生から現在までの生涯にわたる保健医療データが自分自身で一元的に把握可能となり個人健康増進に寄与するということです。自分で記録していない検査結果とか、あとも大事なアレルギー情報などを倒れて病院に運ばれたときにすぐその人のアレルギーの情報というのが見えるというのも大変大事です。切れ目のない質の高い所の提供が本人の同意のもとになりますけれども、各医療機関等と連携して情報共有することも可能になると思います。例えば災害や、次の感染症危機COVIDの次に来る大規模な感染症の工夫というところにも対応可能。あとは医療機関等の業務の効率化や、人材の有効活用マンパワーの不足もありますのでそういったところで生活していくような仕組み、あとは利活用医療情報を民間と連携しながらより良い医療、考えていく上で、そのデータを使ってPDCAを回していくということも考えられていく。資料4は、初期に出されたイメージですが、医療DXのメリットとしてわかりやすいなと思っています。マイナンバーカードとかスマホ一つで受診薬をすぐ受け取りができるからできていると思うんですがさっきお話したように、救急のときに検査状況や、薬剤情報がすぐわかって、医療の方もしっかりと対応ができるというようなことが書かれています。だいぶ予診票や予防接種の情報なども多く進んできてると思いますが、予防接種の情報とかも速やかに接種病院と連携ができていることで効率化している、かかりつけ以外の病院にかかっても必要な電子カルテ情報が共有されてスムーズに診療が受けられるようなものが、これはまだできてはないですけど、こうなっていきますよっていう理想像が書かれております。医療情報を二次利用することで新たな医薬品を研究開発や高い医療が受けられるようなことにも使う、皆様何となく将来と思っていることが描かれています。見たことあると思いますが、今すごい準備で大変だと思うんですが、この母子保健領域にこれ全部成人領域も出ているのですけど、この標準化先プラットフォームと言ってましたよね。プラットフォームの中に入る情報が規定とかできまして、これ民間業者にもメジャーな形のシステムを作るところで、何が入るかが書かれています。例えば妊娠届け出とか、手帳などを標準化の対象範囲のところをきちんと同じ項目で作っていくことが進められています。そのためには母子保健情報検討委員会とかも作られて一体何を、マイナポータル上にのせて使うみたいな検討会はもう終わってますけれどもそんなところでもお話をされたりしておりました。あとこの工程表を受けてご覧になることもあるかなと思うんですがこのようなスケジュールでやっていきます。どんなふうに自治体、病院、介護事業所が連携していくかということになります。どんどんそのデータをきちんと標準化して、吸い上げられるような仕組みを作っていくところに今います。将来像ですと、自治体で作っている介護保健のレセプトデータとか吐き出して、自治体のデータを入れることでさらにその自治体の業務の効率化とか、あとは住民サービスができるプラットホームを作っています。ここまでのポイントとしてはDXとはなんなのか、国の動向と目の前にある標準化とかDXがどんどん進んでいる状況を目の当たりにされてると思いますが、そこの関係についてお話しました。
ここからは、事例を紹介します。一応事例は、事例集を作ってまして、ここにアクセス(デジ・ホケ)していただければ、この報告書もありますので今日は一部を抜粋しています。DXの取り組みタイプを三つに分けておりますので、保健師記録のデジタル化、そして2番目住民サービスでのICT活用、そして3番目が業務を効率化していくICT活用ということで、3つに分けて、今日は1事例ずつお話していきます。
最初は、愛知県一宮市です。大体総人口38万人ぐらい。とても早くそのデータ活用の仕組みを作られていて、令和3年に愛知県の母子健康診査マニュアルが改定されて、そこでシステム改修が計画されたそうです。私がヒアリングした中では、なかなかシステム改修したいと思ったとき予算が取れないなどの事情があってできない、意図とは反して、事務職の方で進められて保健師が入れないみたいなこともあった自治体と伺っておりましたので、こうやって保健師がしっかり参画していくことは、重要なことで、どんな仕組みを作りたいかっていうのをしっかり言語化していくことが重要だと思います。でも急には生まれてこない、だから保健師からこういう仕組みがあったらいいのにということが職場で共有でき、自分のアイディアとしてしっかり聞かれたときに伝えていくことが大切です。予算がつくチャンスが、いっぱいあるときは、できれば言語化して、何かすぐ見せれるようにしておくことがとても大事です。業務効率化の効果を数値化し、可視化できる。そもそもマニュアルを作成してみんなでちゃんと共有することをポイントに進められました。業務量を削減され、入力ミスが減少して、関係機関と即時情報共有できる。データ活用電子化見直し改善が可能になる。導入した記録システムとしては健康情報の収集や分析が容易になる。また、事業評価等に活用してますが、扱いきれという実情もあることをヒアリングの時点では聞いていましたが、何をやったかっというと、作っただけじゃ駄目で、こういう研修とかにもなかなか参加しないと2本立てですよね。やっぱりシステム作って教育というところもちゃんと充実しないとなかなか進まないという表れだと思うんですが、県主催のデータ分析の研修に参加して、きちんと保健師活動に関心を持って実施してみてやっぱりデータ分析というのは保健師活動に大いに役立つことを実感した人を増やして、職場に帰ってその人が普及していくっていう仕組みを作られていました。データ活用の例としてはEPDSの得点と妊娠届、その辺のデータというか、蓄積がどこの自治体も進んでいるかと思うんですけれどもハイリスク妊婦のフォローの重要性を再認識する、観察する視点の広がりを実感するような分析をされたという。1歳半健診時に不慮の事故件数の増加を事故予防の啓発強化につながる。
2事例目として、神奈川県横浜市です。横浜市は18区ある中で、3つだけは、デジタルのモデル地区に住民の方のSNSを活用子育て支援されたという。ラインを活発に使われるのでここに着目して、子育て情報配信サービスをしています。プッシュ型は、むこうからアクセスしてもらうんじゃなくていい時期にこちらからプッシュを送るっていうのをプッシュ型といいますが、出産予定日や人の生年月日の登録でそのときの子育て情報を発信。保健師や保育士が監修して100項目ぐらいあって、プッシュしてるということで個別支援の対象だけではなくてやっぱり地域の不安を抱えながら育児している家庭もたくさんあるなと保健師の気づきですけど、デジタルの活用によって日々の業務では手が回りにくい対象へも支援を届けたいな。なかなかこちらが支援できてるとは思えないっていう方はたくさんいらっしゃると思うんですけれども、これは、なるべくポピュレーションアプローチを表しているんだけれどもでも個人にあったものを提供していけるという手段としてLINEを活用されたということです。このICT活用のポイントなんですが担当者、現場の保健師コミュニケーション大事ですね。ヒアリングの対象は課長保健師でしたが、やはり新たな取り組みの心理的負担がありましたが、担当者から目的やメリットを繰り返し説明して、こんないいことがあるよっていう保健師の課長がアプリをされたので、繰り返し説明して現場職員の理解や納得感を大切にヒアリング、意見交換を行いながら実施したとのことです。デジタルあるあるなんですけど、なんか始めた新しいことは、何かイメージがつかないどのように変わるんだろうデジタルにする方がよっぽど大変ってことが結構あると思うんですけどこんないいことがあるよねっていうことを進めるときにはしっかり説明してたことがいいですよね。ユーザー特定に応じたツールの採用。区民意識調査等の結果を踏まえ、ラインを採用しました。区保健師をはじめ、地域の子育て家庭をよく知っている専門職が監修しました。日々の業務での母親とのふれあいの中でニーズを把握し、1人10コンテンツ、合計約100コンテンツを提供しています。サービス開始から登録者数は約4000人に登るということです。
最後にご紹介したいのが、モバイルパソコンを活用した記録の入力業務の効率化です。静岡県島田市は人口が9万8000人で、モバイルパソコンを活用した記録の即時入力です。訪問に行って、その場で入力したりとか、あと健診時登録したりする自治体はあまりないかなと思います。それは多分セキュリティの問題あと予算の問題とか多分結構ハードルがあるのかなと思うのですが、今でも徐々に進みつつありますのでそんな事例をご紹介します。令和2年度にモバイルパソコンを導入されました。検診時に問診を行いながら記録を直接入力できる体制が作られています。気になるところがパソコンを操作することで、集中してしまい、対象者の人は大丈夫なのかということだと思います。そこは、対象者への環境作りを意識して、パソコンを注視しないこと、ちょっと技術がいりますが、表情を見ることを大切にする。そして形式的に事務的にならないように注意することを意識しながらされてるとのことでした。DX推進の目的として、業務の効率化によって、家庭訪問の時間を捻出したいことがありました。自宅に行く時間をなるべく作りたいし、もっと悩みを聞いてちゃんと対応していきたいところです。保健師のプロジェクトチームを結成して、組織的に推進しました。そうすることで、記録時間が短縮し、保健師1人当たり1.5日/月当たりになり、訪問の時間が増え、対象者との信頼関係が強くなったことが目で見えると思います。
最後に、私たちが行っている研究の紹介をしてもらいたいと思います。今までお話したのが、大体デジタル活用の話や地域活動とか、そのような話でしたが元としては、保健師が訪問記録とかまたは検診でお母さんからの相談とかを文字で記述を書いてます。叙述とも言いますけど保健師の特性とか、保健師の専門性がたくさん出るところだと思ってるんです。だけどそれが今いろんな言葉で、書かれてるから、そこをデジタル化したということです。これってどうしたらいいか、分析どうするかっていう話になるのかな。何か病院とかだと、病院実習の時のNANDAとか。そういう看護診断的なものの言葉が統一されていれば、保健師はそういう標準用語がない。そんなところからちょっと私達危機を覚えまして、今標準用語を作ったりしながらですねどうやったらその皆さんが今書いている記録が効率よく書けるかもすごく大事なんですが上手く活用され、さらにそれがちゃんと次の保健師活動の見える化ももちろんされるんですけど、あの自分たちの保健師の活動のエビデンスになっていくような仕組みができないかなというふうに考えています。ちょっと具体的に話してこんな今お母さんに相談に来て、例えば状態悩みを相談したとき状態を状態Aとして、そんなときには皆さん何となく感覚でケアAかな、と考えていると思いますが、それってすごく当たってることが多いですが、保健師の頭の中に全部今までの経験値差、多分知識が詰まってケアを選んでると思うんですけど、このケアが実際に状態AAになるっていう確認したことありますか?こうやって確認し、それが本当に良かったのか評価するって、なかなかないと思います。積み重なっていくと、本当に状態AのときのケアはケアAでよかったと、いうようなことがだんだんとエビデンスとしてなっていく。だけど今はそれをちゃんとデータ収集して分析する仕組みがないんです。訪問に行ったけど、本当にその方法でよかったのってちょっとわからない。保健師としてはあの家族今すごい幸せそうに暮らしてるし良かったなって思うこともあるけれども、それを客観的に説明しようと思ったときに何が良かったのか。本当によかった、集団としてその救われた人がどのぐらいいますか。すぐ出せば、そういうのはなかなか難しいかな。何でそれができないかっていうと、ここにある通り、データ収集分析するシステムがない。そういったことがあるので保健師の質の高いケアを提供する体制整備とはということで、ケアの質を担保するためのPDCAサイクルを可視化できる仕組みがない。必要な改善策を講じるためのケアをしつつ、指標を用いた測定が必要だというふうに思っています。アウトカムを出すのが保健師活動難しいのですが、でもどこかの時点でちゃんと評価しないといつまでたってもいいケアがわからない状態が続いていくんじゃないかなと思っております。なので保健師活動のパスみたいなものがやっぱり必要なんじゃないかなと思います。用語の定義標準化というのが必要だと思っています。今までなぜできなかったかっていう原因の一つにたくさん保健師の活動ってすごく複雑なのでいっぱい用語が出てくる。病院以上にたくさんの量が出てくるのでそこをデータとして扱ってくれるようなやっぱりICTが必要なんですよね。だから今ICTが活用できるようになった今、やっぱりちゃんと整備していかないといけないと思っています。ということでやっぱりそこにはということが保健師の記録にそれがかかっているので、記録のデジタル化はだいぶ進んできてるとは思うんですけれども実施してところは全然6割ぐらいで、なかなか進まないところがまだ現状かなと思って、リアルタイムの入力はほとんどのところでなかなかできていない。これから進んでいくのかなと思っています。保健師の記録にも課題というか、話していきたいと思います。保健師記録の課題として3つあります。まず、記録の効率性に関する課題、記録の内容、質に関する課題、記録の活用・評価に関する課題があります。
現在、保健師活動マネジメントツールというのを今、手がけて作っていて、皆さんに共有したいなと思っています。手がけているのが、患者状態適応型パスという名前でいくつかの病院で実装している。これを使うことで、事例の経過をチャート図に整理できる、正確で漏れのない記録をナビできる。看護実践標準用語に対応しています。保健師活動マネジメントツールとして開発中の画面イメージとなります。わかりにくい経過をチャート図で示し、一つの画面上で事例の全体像が把握できます。健康課題の一覧を出すことで現在の健康課題を一目で把握でき、健康課題を言語化して出せます。用語についても書き手による違いもなく正確な情報収集が可能です。経過も分かりやすいので、各時点の健康課題に紐付く記録を見ることで、必要な情報へのスムーズなアクセスが可能です。支援計画立案の効率化とそれに基づく支援の良質化にもなります。新人保健師とベテラン保健師の訪問での観察項目が異なることもなくなります。また、保健師活動に関わるデータの分析と評価もしやすくなり、見える化することができます。
(グループワーク)
(グループワーク発表)
①現在の状況、課題として、デジタルとアナログの両方で記録を入力していて、デジタル入力のある市町村は、エクセルデータとデータ入力の記録を3パターン一度に入力しないといけない。入力するパソコンも台数が限られているので、空くのを待つことで時間外になってしまうこともある。過去のデータ、デジタルではないアナログだといつからこの状況が始まったのかなというのは、過去に遡っていかないといけない。担当者や担当地区が変わると遡らないといけないというのが課題。理想の状況としては、入力を3パターン入れるのは大変なので、そこを減らすことができないか。また、データ入力、観察項目を入れるとこういう問題があり、どのように指導した方がいいというのが分かれば、新人保健師もわかりやすいと思います。電話相談時に、保健師が答えた内容について自動で記録してくれるものがあると記録の時間短縮にもつながるという意見が出ていました。
②理想の状態として、記録や実績、様式が全国で統一され、報告物や補助金の申請が不要になる。訪問時にタブレットを使用し、保護者に入力してもらい、保健師も入力できるといいという意見がありました。現在の状況として、やはり報告物の期限に追われてしまって日々残業になったり、紙とデジタルの情報が存在していまっているので、何か知りたい情報があってもどこを見ればいいのかがわかりにくい。さらに時間を奪われてしまうので、統一化、標準化したりすると解決できるのではないかと意見がでました。解決策としては、記録様式を標準化して民間企業や都道府県・国が連携して、報告書などが最低限のものになるという意見が上がりました。
(講師まとめ)
まとめとして、DX推進によって保健師の活動は大きく変わりつつある。単なるデジタル化ではなく、行政保健師のパラダイムシフト。保健師の専門性をもっと発揮するために、デジタルの力をうまく活用していく発想をお願いしたいと思っています。具体的なビジョンを描いて、保健師活動DXに参画していってほしいです。
令和7年度水戸・日立ブロック合同専門研究会【Zoom研修】
tag:https://www.iba-hokenshi.jp/, 2025-07-25:196
2025-07-25
■研修名 茨城県市町村保健師連絡協議会 水戸・日立ブロック合同専門研究会
■開催日 令和7年7月4日(金)14:00~15:30
■開催形式 オンライン研修(Zoom)13:40より入室
■講師 神奈川県立保健福
祉大学大学院 ヘルスイノベーション研究科
教授・医師・医学博士・公衆衛生学修士
吉田 穂波
■参加者 茨城県市町村保健師連絡協議会会員等(保健師) 185名(31市町村)
■研修テーマ 行政保健師の成長をうながす受援力のススメ
■研修内容
行政保健師の世話にならない人はいない。すべての住民の生きるインフラが、自治体の保健福祉医療行政のシステムである。その中での保健師の仕事・立場の中で、保健師はいいことをしても感謝や労いを受けにくく、大きな感情労働の中で疲弊している。保健師自身は一生懸命やっているつもりでも、なかなか受け止めきれない困難に直面したり、多大なる心理的負担の中、前例が通用しない状況、どうしたらいいのかわからないことがある。
今回の研修で、頼るスキル・受援力について、保健師が現場・実践の場で使える構成になっている。なぜ私がこの頼るスキルに出会い、どう活用しているかについての自己紹介、なぜ保健師が頼るスキルを学ぶのか、どう使っていけばいいのか、そして行政保健師の強みを活かすための頼るスキルについて話す。
研修終了後に、使えるスキルとして自分を守り・支えるだけでなく、自分の励ますツールだと思えるようになればと思う。そして、自分自身が頼る力を身につけ発揮することで、自分にとって頼ってほしい・支えたい・役に立ちたい人がどのようにすれば頼りやすくなるのかに気づき実践につながっていければと思う。
[研修で大事にしたいポイント]
今回の研修では、チャットで考えを共有し、学びを深める。その中で、自分自身が主役であり、どう役立てるか、主体的に攻めの姿勢で参加できるようにすることを大事にしてほしい。一期一会、大勢の人と時間を共有することで新しい知識や刺激を受けてほしい。そして、自分とは別の世界や領域などの新しい考えを自由に受け入れる柔軟性をもって受けてほしい。
また、チャットで発言しやすいようにハウスルールを3つお願いしたい。誰にも後ろ指を刺されない・陰口を言われない・こそこそと後ろで揶揄されない・何を言っても否定されない・批判されないという「心理的安全性」が高い環境の方が高いパフォーマンス生み出し、いい成果を上げると言われている。今回の研修でも、全員フラットでこの場はみんな対等な立場であり、「いいね!」を口にする褒め合いマインド、拍手で場を盛り上げる大きな拍手をお願いしたい。
[わたしの自己紹介(なぜ自分がこの頼るスキルに出会ったのか)]
1998年に聖路加国際病院で研修医を始め、当初、私は一生、産婦人科医として働いていていくと考えていた。その後、医学博士号を取得し、夫の留学でドイツ・イギリスに渡り、ドイツで子どもを授かってイギリスで育てた。その中で、社会システムが違うだけで、育てる親の気持ちやサポートが違うことを痛感した。
そして、私は病気ではなく健康にフォーカスを当てた仕事がしたいと思い、ハーバードの公衆衛生大学院で公衆衛生学を学んだ。そのことで難しい病気を治すのではなく、健康な人がいかに健康であり続けるか、そのことに貢献した方が、より地域の健康に貢献できるのではないかと思い、地域の社会システム・法律・制度の全ての方たちと一緒に働きたいと思うようになった。その後、東日本大震災が起き、保健・医療・福祉・介護の重要性などを痛感し、そうした経験から2012年から行政の中で働き、保健医療の政策に携わる方の手伝いをするに至った。現在も神奈川県で教育・研究・臨床に携わりながらも、自分自身も受益者・弱者・子どもを育てる立場として、保健所や自治体のお世話になっている。
私自身、自分の子どもが増えれば増えるほど、自分ではできないことも増え、自身の様々な立場の中で、頼ることが増え、頼ることでいろいろな方とつながることになった。そのお陰で世界のいろいろ方とボーダーレスにつながり、新しい視点を知ることができ、柔軟な思考が身についた。自分が困り、頼ったことで、自分の殻を打ち破るような体験をして、助けられれば、助けられるほど、お恩返しをしたい、貢献したい、いろんな人と交流したいという気持ちが強くなった。
これまで東日本大震災を経験し、そこで得た学びを他の地域・世代の人に生かしたり、社会人の方が学び直せるような公衆衛生大学院を立ち上げたり、神奈川県ではプレコンセプションケアなど女性の健康支援策、自分がどうしてほしかったかということをもとに公衆衛生行政人材の確保や育成事業にも携わってきた。
自分一人だけではできなかったことをいろんな人に頼り、教えてもらうことでできるようになったと実感している。
[質問1:頼ることで助かったエピソードは?(チャットで参加者が発言)]
・母に頼ることで仕事に邁進できた
・夫に頼ってリフレッシュできた
・困難事例など課の中で声に出して共有することで周りの先輩たちなどのいろんな意見や経験などを聞き、助かった、視野が広がった
・ケースワークで病院や保育園、幼稚園に見守りを頼ることで話がうまく進んだ
・乳腺炎になった際に病院に頼ったことで助かった
・日常的に課内の保健師で相談することでいろいろな視点で考えることができている
・子育て中の転職活動、夜泣きの中の転職のための勉強、家族に協力してもらい前向きに転職活動に向き合えた
・保健師という職業であっても保育園に子育ててもらったというほど、お世話になった
・仕事につまずいたときに先輩や同僚の助言やサポートを得て困難を乗り越えられた
・東日本大震災で助けてもらった
・娘が学校に行けなくなったときに、同僚に話を聞いてもらって、気持ちが軽くなった
[頼ったときとき、頼られた方との関係は、どう変わったか]
頼った時、相手は迷惑そうな態度だったか。実は、むしろ、うれしくて、誇らしく、何でもするよという表情や姿勢ではなかった。頼ることは、相手にとっては、誇りとなり、喜びとなり、頼られているという自信を与える。
頼ることは、弱いから、情けないから、できないから、といった後ろめたさや蟇目もあるかもしれない。しかし、勇気を出して頼ることは乗り越えようという強さの表れである。そして、相手にとっても人の役に立ちたいという気持ちを引き出し、お互いの関係性を良好にする。
[行政保健師の頼る力 なぜ今日学ぶのか]
私自身、もともとは頼れる人間ではなかった。しかし、二進も三進もいかなくなり、頼ったときに、意外に頼ることは大事なことだと実感した。そこで、頼ることのメリット・デメリットについて調査や文献などで調べると、頼ること、頼られること、人の役に立つことが、いかに個人や地域の健康指標の向上に役に立っているかという調査結果が見つかった。
研究結果では、頼ることで、相手の自己効力感・自己肯定感・自信を引き出すことができることが明らかになってきている。人に頼られる・人に必要とされることが、ソーシャルキャピタル(生きがい指標)を上げ、健康寿命を延ばし、地域の自殺率を減らすという研究結果もでている。
頼るということは、責任感の強さや育てられ方などの影響で否定的に捉えることがあるが、頼ることは相手への信頼や尊敬の証となり、会話のきっかけ、知り合うきっかけになり、地域でつながり合い、地域の孤立・孤独予防になる。頼ることで、つながり、自分や相手の強みが広がる。
[受援力とは]
「受援力」とは元は内閣府が防災用語として、災害が起きたときに他の地域から支援を受ける体制を用意しておこうという考えから作られた。
支援をする・されることは、時として上下関係を生むことがある。支援をする方が上で,支援される方が下になり、支援を受けづらいことにつながる。災害時、私自身も頼ることができず、限界になり、バーンアウトしてしまい、自分の仕事を手放さざるを得なくなり、返って無責任になってしまった。
責任感や使命感が強い人は頼れないため、頼りやすくなる解決策はないかと考えた。困っていたら頼ればいいといっても、蟇目を感じやすく、頼れない。考え方や捉え方を変えるのではなく、行為・行動・スキルとしてSOSを出せないかというところから「受援力」に繋がった。
抱えこむ人、遠慮する人、心優しい人、自身のない人、こういった人たちは社会全体ではとても貴重な人であり、頼ることをポジティブに考える必要がある。
自分ですべてを引き受ける人は、「助けてと言えず孤立」→「自己肯定感下がる」→「自業自得・迷惑をかけるという呪縛」→「SOSを出すハードルを上げる」→「助けてと言えず孤立」・・・という悪循環につながる。自己肯定感も低い人は、受援力も低くなりやすい。
日本は若者の自殺が高く、15-39歳の死因の1位は自殺であり、他の国では見られない傾向である。困ったときに、他の人に助けを求めることができれば、こういった状況にならないのではないか。では、どうすれば頼るスイッチを入れられるのか。
頼ることは、能力の一つである。頼って当たり前の雰囲気を作ることで、頼った相手も頼りやすくなるということが大事である。
[受援力を発揮するには]
頼ることのハードルを下げるキーワードとして、受援力を発揮するには K「敬意」、S「存在承認」、K「感謝」が必要である。
K「敬意」: 相手は自分が頼るに値する存在である理由を伝えることが大事
「あなただから、頼みたい」「〇〇さん、今いいですか」
S「存在承認」:相手がいて、受け止めてくれたということが大事
「聞いてくれて、嬉しい」「助かる~」
K「感謝」:謝る言葉ではなく、感謝の気持ちが大事。罪悪感も軽くなる。
「話しただけで楽になった」「話せただけで感謝」
一言でも、相手への感謝・敬意を表現する。自分をみじめに貶めるのではなく、相手へ感謝する。ごめんではなく、あなたにお願いしたい!ということで、頼るハードルを下げる。
[受援力のその先へ]
頼った時に、もし断られたとしても、誠実に対応する。頼ったからと言って、全てOKになるというわけではない。断られることもある。
頼るときの心構え
1. 人の力を引き出す言葉を使う
断られた時の返し方(前向き質問)を準備しておく。
いつだったらいいですか?どんなものだったらいいですか?誰に聞いたらいいですか?
2. 感謝する
断られても「ありがとうございます」
3. フィードバックだと受け止める
軌道修正や改善するために活用する。自分への批判や個人攻撃とは受け取らない。
感情・機嫌ではなく事実を捉える。
4. 自分の心を満たす
会話や音楽、読書、入浴など自分に優しくして、自分のこころを満たす。右脳を活用!
保健師は誰かに与えることに慣れているが、誰かから与えられることになれていない。しかし、頼ることは自分だけでなく相手にとっても人の役に立ちたいという本能を満たすことにつながる。そのことで、自分の孤立も相手の孤立も守れる。
[受援力を広めるためにはどうすればいいか]
頼ることがいいことということが大前提である。
・困っ「たら」頼っていいんだよ
・頼っ「ても」いいんだよ
という表現はよくない。
「頼った方がいい」という考え方がよい!頼ることで、お互いの強みを出していくことにつながり、助け、頼り合える。
[質問2:受援力(頼る力)を発揮したらうまく進みそうなことは何ですか?(チャットで参加者が発言)]
・困難ケースの支援際、いろいろな部署に相談したら、解決の糸口がつかめそう。
・その人それぞれの強みを生かせる。
・療養休暇に入る人が減り、最終的に業務負担が軽減される
・家庭内の家事を分担すれば、早く眠れる
・それぞれの得意なことがオープンにできれば、お互いに助け合える
・業務改善する際に、いろいろな方から意見をもらうことができたらうまく進む。
・困難ケースの時に他の関係機関とつながりができる。相手との垣根が下がる。
・それぞれ得意なことを生かせば、無理なく楽しく仕事ができる環境が作れる。
・仕事を見える化することで、お互いがわかり頼りやすくなる。
・頼りやすくすること、相手の特性も活きる。強みを伸ばせる。
・経験者に求めることで企画内容の幅が広がる
[行政保健師の強みと活かし方 頼る力を活かそう!]
グループワーク1(チャットで参加者が発言)
中堅期保健師で、保健師が複数いる保健衛生部門から他部門へ異動後、住民への対応に戸惑い、先輩や周囲に頼れず、孤立感が強まっている。
問い:保健師が頼りやすい雰囲気を作れるようなアドバイスはあるか?
・挨拶や普段の雑談などのコミュニケーション「困ってることなーい?」
最近オンラインが多くなり、挨拶や雑談がなくなってきた。心理的安全性を高めるのが、挨拶や雑談だったりする。
・こちらから声をかけて、首を突っ込んでいく。
・定期的に保健師で集まり、困っていることを話す。
[受援力文化と働く人の健康]
〈受援力を発揮〉
管理職:新任の不安を理解し、フォローアップする
中堅:経験を共有し、相談しやすい雰囲気を作る
新任:先輩に積極的に声をかけ、上手に助けを借りる
↓
〈ポジティブな影響〉
管理職:困っている後輩に寄り添うことで自分自身の孤立を防ぐ
中堅:自分の経験を活かし気軽に声をかけることで気づきにつながる
新任:初心を忘れずわからないことは積極的に質問・相談することで成長
グループワーク2(チャットで参加者が発言)
新入保健師の立場から:事務作業が多く保健師の仕事としてモチベーションが下がる。仕事というよりは職場内の人間関係に生きづらさを抱える。自分では努力しているが、完璧主義・融通が利かない・こだわりが強いなど特性があり、だんだん疲れてきた。
問い:若手が不安な気持ちを認め周囲に頼ることを躊躇しないような雰囲気づくりのためにはどうしたらいい?
・忙しい中でも否定せず聞き入れる。
・成功体験を積み重ねられるように簡単な課題や役割を与える。
・一人で難しければ、先輩たちと一緒に行動できるようにする。
・成功体験を積めば、仕事にも前向きになれる。
グループワーク2(時間の関係上チャットでの発言は省略)
周りの同僚の立場から:上記のような方に振り回されないような一貫した気持ちの持ち方、本人への声のかけ方、アドバイスの仕方に悩んでいる。
問い:振り回される周りの職員はどのような気持ちの持ち方や心構えを準備しておくと良いと思うか?
頼られても断らなければならないときは上手な断り方としてDESC法がある。
DESC法:アサーティブネス
D(Describe):できない理由を説明
E(Express):気持ちを表現する
S(Specify):具体的な提案をする
C(Choice):選択枝や代案を示す
グループワーク3(時間の関係上チャットでの発言は省略)
問い:縦割りの壁を超えるためのアイデアはあるか?
行政保健師の強みは、専門知識、支援経験、連携能力、倫理観、責任感、事業企画立案である。その中で、保健師の強みはどこの部署でも組織横断的に、サイロメンタリティを超えて保健師は繋がれる。
人間関係を駆使しながら、他の保健師と課を超えてつながれる。同じ保健師として最強の共感できるポイントになる。
組織横断力である「メタ・リーダーシップ」、信頼関係やネットワークである「コネクター」を駆使することが、頼る力・つながる力を活かすことにつながる。
[質疑応答]
時間の関係上、アンケート等により質疑は個別に受け付けることになる。
令和6年度第1回専門研究会(全体)
tag:https://www.iba-hokenshi.jp/, 2025-02-12:192
2025-02-12
演題 「これからの母子保健に期待されること」
講師 公益社団法人母子保健推進会議
会長 佐藤 拓代 氏
日時 令和6年5月27日 13時~15時
会場 茨城県市町村会館 講堂
・子育て支援機関拠点等は全国に8000ヶ所ぐらいあり,母子保健をやっている市区町村は1741市区町村。保健師たちが忙しすぎて伴走型支援でこれ以上負担をかけられない,公的機関にいる職員だけでは妊娠期から子育ての支援は間に合わないというのが,こども家庭庁のこども家庭センター設立の根底にあり,委託等によるNPO等の機関が参入していきている。市区町村における母子保健が事業をこなすだけの関わりで良いのかというのが大きなテーマにもなってくる。
・一番必要なのは,背景に何を抱えていようが何でも相談できるような人。いろんな人が関わるよりは、決まった人が関わり、この人であれば、妊娠届を出したときにも話を聞いてもらったし,何かあったときにまた相談できるぞっていう信頼関係を構築していくこと。
・母子保健業務はポピュレーションアプローチ。地域で生まれ育ったこどもたちが持ってる能力を生かすような支援が必要であり、虐待を発見することだけが役割ではない。
・妊娠届出時にじっくりと話を聞き,相談をしたいと思わせることが重要。今までの人生(親から受容された育ちか,対人関係の問題はないか,社会的スキルのレベルはどうか,困難に対応できるか,SOSを出せて他人に頼れるか等)が大きな問題となる。人に頼る力がある人たちは、弱い自分をさらけ出せる人間。パートナーとの出会い(どのような人間に惹かれるか・出会ったいきさつ・関係性)等も聞けるとアセスメントが充実してくる。
・妊娠から出産の経過の中で支援を要する場合は,産科との連携が重要になってくる。助産師・看護師が心配だと思うようなエピソードが何かあったか聞き出すことも大切。地域での子育てを支援につなげていくことができる。保健師はおせっかいばかり言うと児童福祉の方によく言われるが,事態を動かそうとする保健師たちの素晴らしい機能。
・その時々でアセスメントをするのは困難であり,アセスメントも万能ではない。何かあったら相談してきてと本人の相談を待っていては事態が悪化してからになってしまう場合がある。事態が悪化してしまってからでは,児童福祉と一緒に虐待予防の支援はできるかもしれないが、子育ての支援は難しくなる。
・母子保健事業は定期的に母子の様子を把握することができる貴重な機会であり,健診を受診してもらえるよう,ホームページや広報・通知等を通して,どんな親にもわかりやすい情報の発信が必要。母子保健法の第3条をみると乳児及び幼児が対象。特に今回のこども家庭センターの切れ目ない支援は特に3歳までが一番支援の効果が出てくる時期となってくるため,そういう覚悟を持って支援して欲しい。
・保健師と対象者家族との間の信頼は,アセスメント指向でなく話しあう姿勢が大切。指導すると上下関係が生じるので指導はしない。
・指摘することを見つけ出す出会いではなくてまずは受容。問診票のチェックができなくても落ち込ませない、「お母さん,お子さんはどうなのかな」と聞き出すような母子保健の役割を今こそすべき。支援の隙間に落とさない。嘘をつかなくてもいい信頼関係の構築をしていくことが出会いの場面においては重要。
・妊娠届出時に「妊娠おめでとうございます。(相手の気持ち)」は禁句。妊娠がうれしいと思う思い込み。「妊娠届出に来てくれてありがとうございます(こちら側の気持ち)」が正しい。おめでとうという価値観を入れた言葉かけはしない。
・支援プランについて,支援プランの提示は,次の出会いを告げるもの,次に何をしてくれるのかを示すことが相手の受け入れ状況にもつながっていく。
・フィンランドのネウボラでは, 6歳までおんなじ保健師が支援する。親よりも先に相談に行くというような関係性を構築していおり,児童福祉との連携もいち早く取り組んでいる。
・保健師と対象者家族との間の信頼は,アセスメント指向でなく話しあう姿勢が大切。指導すると上下関係が生じるので指導はしない。
・虐待予防は親ばかりに支援していくのではなく、こどもの味方になりこどもを見ることが大切。様々なスケールがあるので、正しく評価し、それを関係機関に伝えて欲しい。特に,発育曲線のプロットは重要。医学的な理由がなければ養育の問題かもしれないと考え、関係機関に共有しておくとよい。
・親をほめる言葉として,総論とした「頑張ってるね」はダメ。褒めるところないからよく頑張ってるねだけ言ってるんだというように思われることがある。各論で具体的に褒めていくことが大切。また,こどものためにではなく,お母さんのためにこういうことをやめたほうがいいよと伝える方が受け入れてもらえやすい場合がある。こどものためではなく,あなたのためということが大切。
・母の成育歴等を聞く場合,お母さんはどんな子供だった?という切り口も有効。また,将来の親子関係を考えてもらうとき,こどもにどんな親だったといってもらいたい?等もよい。
・個室での面談は,対面は避ける。子供が遊べるような教室での面談では、おもちゃを置いておいて子供に関心があるかどうか,何をやったらいけない言うか、どんな怒鳴り声で怒っているか、褒めて延ばすような関わりを子供にしているかどうか等の状況の把握できる。
・家庭訪問後の職場内でのケース共有は大変重要な機会。周囲に自身のケースを知ってもらい,支援内容に幅がでる,一人で支援している・一人で抱え込むということがなくなる。
・虐待のハイリスクの把握は難しい。虐待の場合のハイリスクアプローチは、今までの生育歴やこどもの受容等。子育て世代包括支援センターはハイリスクアプローチというよりはポピュレーションアプローチで子育て支援サービスと一緒になって、この子育ての負担を軽減するようなアプローチに向かって行く役割。これはこども家庭センターになっても変わらない役割。
・母子保健と児童福祉は、リスクの重きをどこに置いてるかが違う。母子保健は能動的。児童福祉は受動的。母子保健は、虐待まで至りそうかどうかを判断し,予防の支援を行うということが非常に重要。児童福祉は介入であり,悪化の防止のため現時点の状態が重要だが,母子保健では,現時点の状況をどのように受け止め、どのようにしようと思っているかが重要。
・サポートプランの対象・評価は,子育て世代包括支援センターの支援プラン対象者と同様。
基本項目としては,①心身の状況等に照らし包括的な支援を必要とすると認められるよう支援児童等その他の者の意向②要支援児童等その他の者の解決すべき課題③要支援児童等その他の者に対する支援の種類及び内容④①②③に掲げるもののほかに市町村が必要と認める事項。本人がこういうサポートが必要であるという意向,どんな課題があるか,どんな支援をしていくか。
・一体的サポートプランでは,母子保健と児童福祉が一緒になってケース合同会議を開いて、ご本人もできたら入ってもらって作るサポートプラン。ご本人が希望するところが何もありませんって言ったらもう行き詰まる。児童福祉機能と母子保健機能の連携協力のうえ,リスクセスメント(国立成育医療センター作成)等を使用し,統括支援員と相談の上、行動ケース会議等と開催していく。
・サポートプランの目的・目標は一緒に解決したいこと。妊娠届出時の全数面接等を通し,担当が気になるところ、ご本人の心配事等を踏まえ,一緒に解決を目指したいことというのが良い。出産、子育てを一緒に応援していきますっていう私たちの思いを書くのがすごく受けとめてもらええた。
・妊娠・出産・子育ては誰に頼れば良いかわからない。あたりまえに分娩することがすべてではない。出産費用負担がゼロになったら,産後ケア事業を受けたい人が受けることができたら,身近なところで利用できる子育て支援があって,ほめてくれるような支援があって生活ができれば子育ての負担も軽減する。目指すのは地域の実家化。パートナーと2人で子育てをするのではなく、関わる支援者が周囲の調整をするという覚悟をもって妊娠出産から関わっていけたら良い。
≪質疑≫
石岡市:
今年度から今度こども家庭センターを立ち上げ,母子保健と児童福祉一体化して、保健センターの中に開設。支援のヘルパー等のサービスを作っていく・育てていくためには、どのようなところに力を借りればよいか。
➠高齢者のサービスはあるが,こどもを対象としたサービスはなかなかないのが現状。医療的ケアを受けるこどもさんたちに対する医療の訪問看護も,高齢者を対象にしている事業所が担っている状況はある。
母子保健の育児支援として希望する内容でアンケートをとったことがあった。まずはどんな内容か,中身を知ってもらい,聞いてみたいと思っている人たちを集めて研修をして、サービスへ進めていったというところがあった。相手方から「何かありますか」と言ってくるのを待っていては新しいサービスを始めるのは苦しいかもしれない。
ありがとうございます。
常陸大宮市:
合同ケース会議に対象者の方も含めた方が良いという話だったかと思うが,それは妊娠届出時の面談の後に、その母子保健担当と児童福祉の担当と対象者が口頭でお話をする機会を作っていくという認識でよろしいか。
➠最初が肝心。当事者が入らない形でサポートプランを作ったとしても,誰が本人に渡しに行くか等の問題がでてくる。できれば,ご本人もいる場で、あなたもやって欲しいなと思うようなことをおっしゃってくれたらいいからちょっと30分だけでも時間いただけませんかという形での3者合同面談が出来ると良い。合同ケース会議に至る前の信頼関係づくりが今まで以上に重要になってくる