茨城県市町村保健市連絡協議会 事業報告 tag:http://www.iba-hokenshi.jp/ 茨城県市町村保健市連絡協議会 事業報告 2019-09-13 令和元年度日立ブロック専門研究会 tag:http://www.iba-hokenshi.jp/, 2019-09-13:121 2019-09-13 令和元年度茨城県市町村保健師連絡協議会 ブロック別研修会(日立ブロック) 研修 議事録 期日:令和元年8月30日(金)13:30~15:30 場所:日立市保健センター 4階 出席者:32名 13:30 開会  司会:緑川(市町村保健師連絡協議会) 13:30~15:00 講演  〈演題〉言葉の遅れや発達が気になる子への支援について~事例を交えて~  〈講 師〉つくば児童発達支援教室 言語聴覚士 森 悦子 氏  〈講演内容〉   〇言葉の発達を支えるもの    1対人的コミュニケーション     身体全体を使ったコミュニケーション、新生児期の模倣行動、共同注意、愛着関係    2乳児期知覚・認知発達     聴覚の発達(一番大事)、音声知覚の発達、言葉の認知の発達、語彙の獲得、ことば     の息の獲得と社会相互作用    3最初の言葉が出る前      生後1年間の音声発達、身振り・指差し機能の発達的変化    4発音スキル     音節をつなげられるか、構音できる音のレパートリー、正しい構音を支える条件   〇症例の情報     3歳7か月児 聴力:問題なし IQ100            K式発達検査 認知・適応 100 言語・社会 46            診断名 自閉症スペクトラム障害     状況などの文脈を手掛かりに理解していて、言葉だけでは簡単な単語や指示が全 く理解できていない。 →聴覚以外のルートで言葉を教えていく。  手話+音声言語で呼称、カテゴリー、抽象語を理解させる  ひらがな理解 経過 年少:簡単なことばや指示は理解できるようになった。    年中:理解できる手話が増え、カテゴリーや「違う」「同じ」などの抽象語       も分かるようになり、自らも使い始めた。       年長:簡単な指示は音声言語でも理解できるようになった。文レベルで話がで       きるようになった。 〇自閉症スペクトラムの子が苦手な面  ・文脈や状況によって変わる意味 ・発音に含まれる意味 ・たとえ表現の理解の難しさ ・「ちゃんとしなさい」「だらしがない」などの抽象的な言葉の意味 ・教科で使われる分かりにくい言葉:かさ(量)、たんい(単位)、ようす(様子)など ・算数の文章題 ・国語の読み取り ・敬語 ・推測する力 三段論法 ・会話  〇言語指導上の配慮 1前言語期(話し言葉が出ていない時期)  ・人とのやり取りの楽しさを味わう機会を増やし、繰り返しその気持ちを言語化して 聞かせる。   2単語獲得期(幼児期初期)    ・また構音の発展途上なので不十分な表現でも訂正しない。    ・生活場面で見慣れた活動や遊びの内容を言語化し、事物や人の名前、動作語、形容    詞などを使って見せる。    ・身辺自立の習慣をつけさせる。   3前期構文獲得期(2~3歳代)2語文が出始める時期    ・実際の行動や体験させたことを言語化できるように援助したり、言語化して聞かせ る。    ・感情を言語化できるように、教官体験を通し、感動詞や形容詞を教えていく。    ・ものの用途や上位概念語を教えていく。   4中期構文獲得期(年中・年長)    ・集団学習の場や学習の差に理解の必要な言葉を確認    ・抽象語の意味を教えていく。  〇発達障害のある人への支援   1ことばの配慮    ①省略しない完全な文で話す。    ②代名詞の理解は困難    ③肯定的な表現を使用する。    ④命令形・大声は使わない     穏やかに丁寧に話すことが大切。   2状況説明の配慮    ①当たり前のことを丁寧に説明    ②その場の状況を説明する    見ていても理解しているとは限らない。誤って理解している。    ③説明は何度も行う。   3予定の説明    ①学習・仕事など毎日おこなうことはマニュアル化して説明する。    ②予定についても同じ。   4注意力障害への配慮    ①環境調整    ②時間の統制(注意集中困難)   5多動・衝動性への配慮    ①エネルギーの発散、合法的に動かす    ②衝動性 子どもの希望を聞き具体的な行動方法を伝える。代替行動方法の教示。   〇コミュニケーション支援    1社会的理解としての他者視点の取得    2共同注意の支援    3コミュニケーションスキルの支援   〇共同注意の支援    ①集団ゲームなどの活動機会の設定     人との楽しい経験をつむ    ②活動しやすい環境の設定が不可欠     具体化されたルール     表象機能を促す支援   〇幼児期の対応目標     ・子ども      適切な親子関係の構築      情緒の安定(ちょっとしたよい言葉がけ)     ・保護者      子どもに対する理解力の向上      子どもへの対処能力の向上   〇偏食について     無理強いするほど食べられなくなる。     栄養学で言われても、食べないものは食べない。     おためしに食べさせてみても、無理強いはしない。   〇発音について     構音 サ行・ラ行は6歳で完成する。     水を飲んだ時、鼻から水がこぼれることが頻繁であれば、粘膜下口蓋裂。児鼻腔閉 鎖の可能性がある。耳鼻科、歯科口腔外科の受診をすすめる。OPEするなら早い ほうがよい。  〇吃音について    ことばが出てくる時期に出現するもの→7~8割は就学前になおる。    ことばの注意をするのは×。話かける人がゆっくり話をする。    神経を高ぶらせたまま寝かせない。安心して眠れたほうがよい。寝る前は穏やかに静 かに。  〇親支援について    親にも力量がある。親を責めてもしかたない。    細く長く、糸を切らないようにする。母をサポートする。 15:00~15:10 休憩 15:10~15:25  グループワーク  「茨城県保健師人材育成指針【第2版】キャリアラダーの活用について」  ①各市町村でどのように活用しているか   1回はつけてみたが、活用しきれていない。   年に1回は付けてみて、自分のスキルを確認している等。  ②統括保健師との面談を実施してみて   人事評価制度では定期的に面接を実施しているが、キャリアラダーの面接は実施して   いない所も多い。   自己評価が低く、統括保健師にもう少し上のランクで付けてよいと言われた。等 15:25~15:30   まとめ:日立保健所 保健指導課 石川課長   茨城県保健師人材育成指針は、H22年度に第1版、H30年3月に第2版が策定された。   茨城県と市町村が共同で策定したものであり、県として策定しているところは少ない。  キャリアラダーは、経験値に沿ってつけることができる。ジョブローテーションを考え   ることにも役立つ。キャリアアップのためにも使用できる。ぜひ活用してほしい。   2019年度保健師等人材育成研修レベル1(新任期)1日目 tag:http://www.iba-hokenshi.jp/, 2019-09-04:120 2019-09-04 2019年度保健師等人材育成研修 レベル1(新任期) 第1日研修 議事録 期日:令和元年8月27日(火)10:00~16:00 場所:茨城県立健康プラザ 2階 健康づくり研修室 10:00開会  あいさつ:茨城県立健康プラザ 副管理者 秋山 稔 氏  オリエンテーション:茨城県立健康プラザ 小室 氏  司会:藤本(市町村保健師連絡協議会) 10:10研修  〈講 義〉地区診断の基本的な考え方と方法について  〈講 師〉茨城県立医療大学保健医療学部看護学科 教授 山口 忍 氏  〈研修の目的〉   ・公衆衛生看護特有の個と集団を診るという考え方を実践でいかす。   ・自分の次年度の活動方法を明確にする。   ・先輩保健師、同僚とのコミュニケーションを活発にして、自分らしい活動を展開でき    る保健師になる。   ・属する自治体について熟知し、自治体の保健師として活動する意欲をもつ。  〈課題の説明〉   1先輩保健師に語ってもらった「目指す住民の姿(住民がこうあってほしい)」のうち、   印象に残っていることを記載する。「生活する住民の姿」が書かれていることが望まし い。 2保健活動から、「地域の健康課題ではないか」と感じていることを記載する。個の視 点と集団(一定の地区・特定集団)を対象とする見方で。 3「自分が今年度取り組みたい地域の健康課題」として明らかにしたいことを記載する。 地域住民の健康課題を書く。自分の関心があるところから始める。 〈地域の健康課題を見つける〉  「公衆衛生」:個の健康課題を個にとどめず、地域全体の健康課題としてとらえ、地 域全体の健康を向上できるようにする。  「ヘルスプロモーション」:人々が自らの健康をコントロールし、改善することがで きるようにするプロセス。 〈公衆衛生+看護の視点で個と集団を関連づける〉  ・保健師は個人を診ると同時に集団を診る。  ・集団をみると同時に個人を診る。 〈地区診断〉  地区診断とは、地域の健康課題を明確にするための基盤である。保健師が行う地域診 断は日常業務の中で行っていく。 ①実態把握 既存資料の読み取り、関係団体・関係機関・関係者からの情報、保健師 自身の活動や観察から地区踏査を行う。生きた情報・住民の声・反応が大事。 ②原因・背景の明確化(アセスメント) 数年間の推移をみる。他の地域との比較を 行う。解釈の妥当性、正確性、客観性の検討を行う。 ③課題と対策の樹立 緊急性と優先度を考慮 ④計画の立案 ⑤実践 地区診断のための活動ではなく活動結果を地区診断に生かす。 ⑥評価 11:40~12:00 個人ワーク 講義を聞いて自分自身のまとめた課題の修正を 行う。 13:00~13:15 アイスブレイク  佐藤・柴(市町村保健師連絡協議会) 13:15~15:20 グループワーク「事前課題の振り返り」  9グループに分かれて、事前課題のプレゼンテーションの実施。課題を進める上で困 っていること、疑問点、今年度自分が取り組みたいことの確認を行う。 15:20~15:45 グループ発表  ・地域によって、健康課題が違うことが分かった。  ・市民の生の声を聞くことが大切である。  ・対象者を明らかにし、健康課題を絞っていこうと思う。  ・グループ内で話すことで、それぞれの市の事業、どのような相談が多いか等を学ぶ   ことができた。  ・健康課題を落としこむことが難しかった。  ・課題が大きすぎるので焦点をしぼり、自分が取り組めそうなことを実践していく。  ・健康課題が行政の目標や課題になってしまった。  ・既存のサービスはあっても、支援が必要なことが分かった。  ・潜在的なニーズも把握していくことが必要。 ・課題を1つにしぼっていく。  ・市としての目標ではなく、自分の手が届く範囲でできそうなことを考えていきたい。 15:45~16:00 まとめ 山口氏  ・住民主体ということをみんなが理解してくれた。  ・健康課題を考えるにあたり、みなさん頭のなかがぐるぐるしていると思うが、考えること、それが大切である。  ・既存のサービスがあっても、サービスの狭間で抜け落ちる人がいる。その人達を支  援していくことが大切。法律で定められたことを実施するのは当然であり、埋もれて  いる人を見つけてこそ、専門職としての仕事である。  ・課題を見せてもらったが、皆さんよくできていた。ディスカッションして自分の中  で組み立てていってもらいたい。 ・文章も分かりやすく書いていた。 ◎本日のグループワーク、先生のアドバイスをもとに、R1.11.6まで課題をグループで 集約し健康プラザあてメールで提出する。 令和元年度専門部会 tag:http://www.iba-hokenshi.jp/, 2019-08-07:119 2019-08-07 「救護所の立ち上げ訓練」について 茨城県市町村保健師連絡協議会専門部会 令和元年7月22日(月) 茨城県市町村会館 講堂 博慈会記念総合病院 看護部 急性重症患者看護専門看護師 堀 友紀子 氏 (1)救護所の位置づけ ●茨城県防災計画より、市町村は、学校・集会所等の避難所・病院・市町村保健センター等に医療救護所を設置することを位置づけられている。被害状況、発生時間帯、通信状況等によって情報収集や連携のための調整は時間を要してしまうため、日頃からの訓練を繰り返し実施することが重要である。 (2)救護所の準備・役割分担 ●救護所の役割は、1人でも多くの救命するため、多数傷病者のトリアージを実施すること、傷病者の収容と医療機関搬送の準備:優先順位を決まる→搬送依頼、人員の要請も行うこと、傷病者の病態の安定化を図ることである。最初に決めた組織でも、時間の経過とともに傷病者が増えたり、応援者にくる職員も増えたりする可能性があるため、臨機応変な組織づくりが必要である。 ●災害医療は、Triage、Treatment、Transportationの3Tが重要と言われている。 ●救護所設置・運営のポイントは、指揮命令系統、安全確保、情報伝達、情報評価の4つである。  ①指揮命令系統   リーダー・記録者・トリアージ実施者・救護所内での観察者等の役割決定し、救護所内だけでなく災害対策本部との連携が重要である。負傷者や応援(DMAT、JMAT、日本赤十字等)が増えてきたら、リーダーをDMAT、行政職員はトリアージ記録・死亡もしくは救命不能群を対応に当たる。  ②安全確保   救護所の設置場所、救護所内外の動線を考慮した配置、感染予防に努める。傷病者が多く集まり救護所からあふれてきた場合は、ブルーシートや簡易テントなどを依頼し、歩ける軽症の方は外に移動して(誘導員を本部に要請する)、重症から優先して対応する。搬送口の救急車両の移動できない時は、災害対策本部に連絡し、交通整理のための人員を依頼する。 ③情報伝達  救護所に来た傷病者の情報はトリアージを行ったうえでトリアージタッグ(3枚綴りになっているため人数把握ツールとして便利)の記入・管理をする。トリアージが済んだ傷病者情報を一覧にまとめること(ホワイトボード等に書き出すのは事務職でOK)と、救護所内の傷病者の観察を同時進行する。 ④記載された情報評価   解決できていないことは何か、必要な情報の確認、応援にきた職員との方針確認をする。 (3)トリアージの実際 ●傷病者を緊急度・重症度に応じてより分け、治療・手術、搬送を受ける優先順位を決めるその一連過程であり最終決定ではない。 ●一次トリアージは、救護所や病院の入り口、災害現場で実施する。医療従事者でなくても実施可能で、2人1組(記入は事務職でOK)で30秒以内に判断していく。呼吸・循環・意識の観察が基本で、トリアージの際に許される処置は気道開放と止血のみ。トリアージの装着部位は、右手→左手→右足→左足→頸部の順にする。 ●二次トリアージは、生理学的、解剖学的に評価し、処置・搬送治療の優先順位を確定、応急処置での改善が見込まれるか判断も含める。 (4)災害要援護者への配慮 ●避難行動要支援者名簿も活用し、療養中の方、医療継続が必要な方は福祉避難所入所や医療機関への転送も考慮する必要が出てくるため、限られた職員の中でも情報共有ができる仕組みづくりが必要である。 ●DMATが避難所活動で入力したEMIS(広域災害救急医療情報システム)項目に準じて医療や介護状況について記入式情報シートを作成し、感染状況も把握する必要あり。 (5)訓練実施に向けての留意点 ●救護所の準備・役割分担、トリアージの実際、災害要援護者への配慮など、すべてを網羅した訓練を行わなくても、例えば、「今年度はJアラートの訓練に合わせ、避難所と災害対策本部の情報伝達訓練をする」「トリアージの実際は来年度にして、今年度は職員間でシュミレーションにする」などでもよい。 令和元年度定期総会 tag:http://www.iba-hokenshi.jp/, 2019-06-24:115 2019-06-24 日時:令和元年5月27日(月)10時~ 場所:茨城県市町村会館 講堂 定期総会議案書につきましては、各保健師へ配布済みです 令和元年度第1回専門研究会(全体) tag:http://www.iba-hokenshi.jp/, 2019-06-24:116 2019-06-24 令和元年度 第1回専門研究会(全体) 令和元年5月27日(月) 茨城県市町村会館 13:00~15:00 演題:「これからの保健師活動に求められること」 講師:全国保健師長会 前会長 青柳玲子 氏(新潟県) 1.我が国の公衆衛生をめぐる変化   【対象(人や集団、関連事象)の変化を整理してみる】    ○地域保健の課題    ・人口構造、疾病構造の変化、複合的状態像を有する住民の増加、地域格差、所得格差、孤立等のコミュニティの変化及び母子保健、介護等のグローバル化にともなう健康関連事象    ○近年注目すべき危機管理面での課題    ・結核等のグローバル化にともなう健康関連事象、感染症(新興・再興)及び薬剤耐性菌(AMR)蔓延の懸念、各自治体単位で取り組む大規模自然災害の多発、広域化、複合化   【保健所機能~標準的対応から地域別対応へ~】    ・地方分権にともなう変化-国と地方の役割が変わってきている    ・専門的・技術的業務が求められている    ・情報の収集、整理、活用    ・調査研究の推進    ・市町村支援    ・企画・調整機能    ・社会福祉等関連施策との連携    ・地域における健康危機管理拠点   【体制・組織】    ・地方分権の推進による体制の大きな変化    ・対象の変化に伴う組織の変化(医療職だったポストを事務職が担当するように) 2.地域保健をめぐる動向と保健師活動の課題   【保健活動への社会的要請】    ・健康寿命の延伸、生活習慣病等と死亡原因、少子超高齢社会、孤立死、コミュニティの希薄化脆弱化、所得格差・健康格差の拡大、災害時の公衆衛生、医療・介護給付費の適正化、社会保障制度の堅持などの健康課題は、多様な機関との有機的な連携なしに活動成果は得られないとしっかり認識すべき。(⇒組織横断的に取り組まなければならない)   【保健活動への社会的要請に応えるために】    ・主役は住民であることを忘れずに、①健康的な公共政策づくり、②健康を支援する環境づくり、③地区活動の強化、④個人技術の向上を通してQOLの向上を目指していく。   【地域共生社会の実現】    ・「我が事」「丸ごと」の地域づくりは保健師が昔から実践してきた事    ○保健師に求められること     ・役所内の他部署横断的な取組み、企業との連携     ・地域住民、住民組織、関係機関との協働(保健師は見える黒子として)     ・地域づくりに「健康課題」を提案、助言   【地域包括ケアシステムを構築するために】    ・健康な高齢者も、病を抱える住民も、障害とともに生きる障害者も、認知症も、精神障害者も、難病も、医療依存度の高い子どもも、住み慣れた地域で、当たり前に、自分らしく暮らし続けることができるまちづくり    ○そこで大事なのが「支え合える関係」     ・相互補完的にゆるくつながる地域づくり     ・世代を超えてわがまちのつながりに関心を持つ     ・異世代との接点を作り出す 3.今後の保健師活動の方向性   【「地域における保健師の保健活動に関する指針」】    ・茨城県でも活動指針を策定していて、市町村と県が連携したのはすばらしいと思う。これがゴールではなく、自分の活動につなげて欲しい。    ○目指す基本方針    ・地域特性に応じた健康なまちづくりの推進―ソーシャルキャピタルの醸成    ・地域のケアシステムの構築―自助・互助・共助    ○活動手法・活動体制    ・個別課題から地域課題への視点及び活動の展開    ・予防的介入の重視    ・地区活動に立脚した活動の強化    ・地区担当制の推進    ○行政組織運営の基本方向    ・各種保健医療福祉計画の策定及び実施    ・地域診断に基づくPDCAサイクルの実施    ・部署横断的保健師活動の連携及び協働    ・人材育成    ○活動領域に応じた保健活動の推進    ・都道府県、保健所設置市、特別区及び市町村の本庁-技術的・専門的な指導・支援    ・都道府県保健所等と市町村間-重層的な連携体制と技術的な助言・支援・連絡調整    ○今後の保健師の活動の方向性(「地域における保健師の保健活動に関する検討会」報告書より)    ・地域を「みる」「つなぐ」「動かす」、予防的介入の重視、地域活動に立脚した活動の展開    ・検討会の副会長として参加。保健師活動のコアな部分を明文化・整理できた。 4.都道府県・保健所設置市及び特別区・市町村別にみた強化すべき保健活動   【市町村における強化すべき保健師活動】    ○保健師の活動分野の拡大により、組織横断的な取組みの推進及び統括保健師の配置と機能強化    ・施策、事業にかかる技術的及び専門的側面からの、横断的な調整による組織全体における保健師の活動の推進は統括保健師の配置によって実現出来得る。    ○都道府県からの権限委譲や制度改革により、事業の実施主体として責務が拡大    ・あらゆる業務が市町村におりてきて責任は重大    ・施策・サービス等を企画、立案、提供、評価    ・効果的に事業や活動を展開できる仕組みを構築(量的・質的データを活用した地区診断、委託事業の質の管理)    ・地域包括ケアシステムの推進(ソーシャルキャピタルの醸成・社会資源の開発)    ・人材育成体制の構築    ・災害時等健康危機管理体制の整備   【保健所設置市及び特別区における強化すべき保健師活動】    ○基礎的役割を果たす自治体としての機能と保健所としての機能の双方が求められる    ・住民同士の交流やまちづくりの推進    ・地域包括ケアシステムの構築(社会資源が豊富なのですすめやすい)    ○市町村合併などで、新たに中核市となった市では、本庁・保健所・保健センターの役割や機能が不明確になりやすい    ・本庁・保健所・区役所・保健センターのそれぞれの役割と機能の整理と明確化    ・災害時、感染症等健康危機管理体制の整備    ・高い専門性と対人サービスの効率化(保健所機能の明確化と強化、高い専門能力と技術の確保)    ・県との連携強化(医療計画や健康危機管理などで必須)   【都道府県・保健所における強化すべき保健師活動】    ○職員数の減少、世代交代による新任保健師の増加、中堅保健師層の希薄等による年齢階層保健師の偏在が課題となっている都道府県が多くなっている    ・人材育成体制の強化(市町村からの協力、市町村との協働が欠かせない)    ・人材育成の手段・手法の開発が急務    ○管内の広域的な各種情報を分析し、地域の健康課題を明確化し、解決に向けた活動を市町村とともに推進する    ・広域的・専門的・持続可能な活動と市町村との協働を積極的に行う    ・管内の独自施策に積極的に取り組む    ・ソーシャルキャピタルの醸成や地域包括ケアシステムの構築    ・人材育成拠点としての機能強化    ○これまで「市町村支援」であったがこれからは出向いて一緒に活動する「協働」がキーワード    ・保健師だけでは解決できない市町村組織内の縦割りや市町村間のつなぎとサポート    ・健康危機管理のための体制づくり    ・先駆的な保健活動の実施・普及    ・情報の収集・分析・発信    ・調査研究の実施    ・市町村の取組み格差の縮小にむけた技術的助言、事業企画提案と協働実施 5.保健師として強化すべき能力   【保健師の活動指針を踏まえ保健師として強化すべき能力】    ○「活動指針」だけで市町村が取り組むのは難しいので、何を強化すべきかを整理    ・課題に対する問題探求力    ・取組みの俯瞰力    ・組織的な運営・推進力    ・取組みを評価し、評価結果を改善につなげる力    ・実践知の集積から形式知への転換力    ・情報発信力    ○青柳先生自身の保健師活動を振り返って    ・地域に責任を持つ保健師活動の展開が必要      「地域」「組織」をみる       -将来を予見       -潜在する課題を見出す       -視点、知識、技術を熟達化させる      「地域」「組織」をつなぐ       -「公的機関」であることを最大限利用       -多職種連携・協働を活性化      「地域」「組織」を動かす       -自助・互助・共助を促す       -キーパーソンと目標を共有       -無関心層にも手が届くポピュレーションアプローチ    ・PDCAサイクルに基づいた活動      実感と体感-保健師が地域や人々の暮らしを直感と五感を働かせ見て感じ、それを実践に生かす(現場主義)      住民の生活は数値だけでは見えない ⇒ 見える化は分析と統合がポイント      個人の意識と行動変容に頼る健康づくり対策では健康格差は縮まらない        ⇒健康を支え、守るための社会環境整備の取組みの強化が必要        例)イギリスは国策として食パン等の塩分含有量を減らし、国民の塩分摂取量を減らすことに成功      ソーシャルキャピタルを活用したまちづくりの結果としての健康増進へ    ・プロフェッショナルとしてのスキルアップ       困難事例に寄り添い、向き合える保健師であること(特に市町村には求められる)       地域に愛着を持ち、熟知したうえで高い専門能力を柔軟に発揮       保健師の実践知を集積して活用できる知識として継承していく        ⇒保健師活動で獲得した実践知を、次の世代に継承することは公衆衛生の発展に寄与することになる(実践知の言語化―熟達を世代から世代へ) 6.全国保健師長会の取組みから 【2019年度活動方針】    未来を創造する公衆衛生看護活動の展開 ―みる・つなぐ・動かす~保健師の原点から住民とともに創る未来― 【最重点活動目標】   ○保健師活動の可視化及び質の向上   ○情報発信の強化   ○災害保健活動の推進   ○市町村の会員拡大   【災害対策の取組み】   ○災害時の保健活動の活動推進に関する調査研究及び災害時マニュアルの作成   ○東日本大震災以前は、避難所への常駐や巡回など、住民への直接支援が求められていた   ○東日本大震災以後は、保健医療活動チームとの協働や受援マネジメントなど調整役割の重要性が増大   ○明らかになった課題    ・市町村において準備状況が遅れている    ・組織体制が十分検討されていない    ・市町村と保健所の役割分担・協働体制が不十分    ・受援準備が不十分    ・災害訓練や研修の受講率が低い   【地域に責任を持つ保健師活動を推進】   ○地区担当制、業務担当制、いずれも保健師に地域に責任を持つ視点や意識がなければ効果的な活動にはつながらない   ○地域に責任を持つ活動とは、地域に向き合う気持ちが大事   ○保健師が住民の複雑な健康課題に向き合い、より公共性の高い役割を担うためには、地域住民との個別の関係の中から健康問題を解決していくアプローチを強化していく必要がある。 7.おわりに   【改めて、保健師として心がけたいこと】   ○激動する国の政策に振り回されない   ○地域、生活者起点の保健活動   ・課題も答えも現場にある   ・変革の時をチャンスととらえる   【これからの保健師活動】   ○潜在的な課題を拾い上げ、社会へ働きかける活動は、地域に拠点を築き、住民や地域の痛み、社会の変化に敏感に共鳴できる力が備わってこそ実現できる。   【保健師のリーダーに期待したい】   ○社会や地域、実践現場は常に変化していることを直視し、逃げずに地域で活動することの強み   ○公的機関の専門職として地域に責任を持つことの自覚を後輩に気付かせ、保健師として背中を押せるリーダーであり続ける事   ○後輩の成長を見守るためには入れ目のない支援が必要⇒そのためにも自分を磨き続ける!